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中小企業の特許・商標等の活用戦略(Ⅰ)

下田茂

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テーマ:知的財産

 今回は「時代の大転換期」における中小企業の特許・商標等の活用戦略について取り上げたいと思います。
 時代の大転換期では、自動車のEVシフトのように、テクノロジーを含めた時代のトレンドが大きく変化します。
 したがって、企業も、時代の踊り場となるこの変化の時期を、如何にしてトレンドに適合していけるかが大きな課題となります。
 例えば、一台の加工機械を設置した町工場のような中小企業であれば、社長の決断により、加工する部品や製品を変更したり、或いは他の加工機械に買い替える等により、速やかにトレンドに対応することができます。
 しかし、何十台もの機械を設置し、自動化システム等により一日に何百何千もの部品や製品を生産しているような大企業では、トレンドに対応するにしても長い時間がかかるため、トレンドに乗り遅れたり、場合によっては、断念しなければならないことも発生します。
 このように、時代のトレンドが大きく変化するときは、大企業よりも中小企業のほうが有利になることは誰でも理解できます。
 したがって、中小企業にとっては、新しいビジネスにトライするチャンスでもあり、スタートアップによる起業も官民あげて奨励されています。
 トレンドが変化するときは、今までには存在しない製品やサービスが必要になります。正に必要は発明の母を体現できます。
 この場合、新しいビジネスに活用できるのが、特許等の「知的財産権」になります。中小企業にとって、ハード的な側面においてもソフト的な側面においても活用することができ、ビジネスに+αの付加価値を付すことができます。
 例えば、特許権を所有することにより技術力の高い企業というイメージを付加することができます。また、イメージの良いメーミングやキャラクタを商標権により保護してブランド戦略を進めることもできます。
 今は、ウェブサイトの利用により、広告・宣伝ができます。また、SNSにより広告戦略を立て、世界中の人達に情報を即座に伝えることができます。
 インフルエンサーの人達を活用し、SNSを利用した効果的な営業も可能な時代です。一晩でヒット商品が生まれるかもしれません。もちろん、SNSなどを利用する場合、質が問われるため、商品やサービスの質(本質)を高めることが重要です。本質が伴わなければ、返ってマイナスの要素が拡散してしまいます。
 このように、トレンドが変化する時代では、中小企業にとって、平時に増してビジネスチャンスのときでもあります。「知的財産権」を有効に活用することにより、今でこそ発生するビジネスチャンスに活かしてほしいと思います。

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下田茂
専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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