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日本のEVシフトを考える(その一)

下田茂

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テーマ:一息

 今回は、知財を離れて一息つきたいと思います。
 今、EV(電気自動車)シフトに関しては、「EV推進派」と「アンチEV派」に二分されているようにみえます。物事が大きく変化するときはいつも同様のことがおきます。
 最近、「EVブームは世界的に失速している」ようなニュースもありますが、物事は一本調子に上昇することは少なく増減の波を経て上昇するため、自然な流れと思われます。いわゆるアーリーアダプタといわれる人達の買いが一巡したに過ぎません。EV化の原点は深刻な気候変動に対応するためであって、ブームと捕らえていることには「?」です。
 世界のEVシフトは急速に進んでおり、現在、5台に1台はEV化しています。特に、中国は、「BYD」を中心に3-4割がEV化しているともいわれています。「BYD」は、ヨーロッパへの輸出を強め、また、アジアでは、最近の日本への進出をはじめ、タイやオーストラリアでもEVシュアを1-2割程度までに延ばしています。
 中国は、明らかに日本を意識し、EVにより世界の覇権を狙っているように感じます。中国は、14億人の人口が共産主義下で進展しており、油断せず相当の覚悟をもって進めないと日本勢は太刀打ちできません。
 したがって、EVブームが失速していると言われている時こそ、日本も遅れを取り戻すチャンスと思います。
 日本の場合、EV化は2%程度です。しかし、最近、街中でも、日産のEV「サクラ」をよく見かけるようになりました。日本で一番ヒットしているEVになります。
 EV化は、根底に気候変動の問題がありますが、電費のよさなど、日常生活で利用する際にも多くのメリットがあり、EVの「良さ」を理解している人も増えてきているのかなと感じています。
 国産のEVでは、日産の「サクラ」,「リーフ」,「アリア」,の三兄弟、トヨタの「bZ4X」,三菱の「ekクロス」などがありますが車種は少ないです。日本の場合、消費者にとっても選択肢があまりないのが実情です。
「サクラ」がヒットしている現状を見ると、日本では、「サクラ」や「リーフ」のような軽自動車やコンパクトカーに特化した車を供給したほうが今後の競争力に繋がるように感じます。
 現在、日本の場合、世界から周回遅れともいわれていますが、時間の経過とともに、コスト競争や高機能競争が加速し、さらにEVに関するトラブルや事故等の情報収集が遅れるため、二周遅れ、三周遅れとどんどん幅が開く虞れもあります。
 前述したように、中国の政策的戦略はひじょうに脅威であり、日本の自動車メーカーもEV化を加速し、ユーザーの選択肢を増やすとともに、ガラパゴス化と言われないように頑張ってほしいと思います。
 私は、現在「リーフ」に乗っていますが、次回(その二)は、EVの「こんなにある」メリットについて書いてみたいと思います。

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下田茂
専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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