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スタートアップ企業と知的財産(5)

下田茂

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テーマ:知的財産

 時代の大転換期には、物やサービスを含めた様々なものが、新しい時代のニーズに応えられるように変化したり新たに生み出されるため、時代のトレンドの大きさとスタートアップ企業の発生数は必然的に相関関係が生じます。
 したがって、トレンドのベクトルを的確に把握することができれば、新しいビジネス、つまり、スタートアップビジネスも、時代のトレンドに乗れることを意味します。
 例えば、時代のトレンドを象徴するテクノロジー分野における自動車のEV化の場合、限られた地球資源を利用するガソリン車は、いずれ原油が枯渇する運命にあるため、好むと好まざるとに拘わらずEV化は避けられません。
 このようなトレンド変化は、現時点でも容易に想像できるため、スタートアップビジネスを意識した場合、その目標や計画は、的確性を持たせて比較的容易に立てることができます。
 しかし、自然界における猛暑などの気候変動、あるいは社会で潜在的に進行している問題などは、その分野に携わっている人達であれば、有る程度分かっているとしても、一般人にとっては、具体的に目に見える形で表面化しないと、なかなかその変化に気づくことができないため、トレンドのベクトルを把握することは容易なことではありません
 最近、表面化している社会問題として人材不足の問題があります。この問題は少子化問題と同じステージで発生するとも言われていますが、例えば、バス路線や鉄道路線の場合、廃止や減便などが現実化して初めてその問題の深刻さに気づきます。
 この問題も、時代の大転換期で生じる大きな事象の一つと思いますが、一方において、この課題に対処するため、様々な新しいアイデアも提案され、実施又は計画されています。例えば、デマンド型交通システムやライドシェアシステムなどです。
 このような新たに生じるシステムでは、特に、スマートホンの力の大きさを実感じます。スマートホンの場合、携帯電話の延長線上にある時代は終わり、今は、携帯コンピュータとして様々な場面で活用されています。
 私の場合、新しいアイデアに伴う特許出願を代理する仕事ですが、オーダーを受ける案件には、かなりの割合でスマートホンの活用が含まれています。つまり、新しいシステムを構築するには、スマートホンの活用なしには生み出せない時代になっているといっても言い過ぎではありません。
 現在のように、時代のトレンドが転換する踊り場では、多くのスタートアップビジネスが発生する余地があり、まさに、「必要は発明の母」が凝縮する時代になっています。
 他方、AI技術や自動運転技術等も、これらと同時に進歩しているため、上で挙げた新しい交通システムなども次々に改良され、いつの日か、人材不足は何時の時代の話か、ということになるかもしれません。

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専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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