インターネットと知的財産権(1)
スタートアップ企業というと、AIやIT等を活用した革新的なビジネスモデルを担う企業のイメージがありますが、「時代の大転換期」に、新たに発生するビジネスモデルの中には、必ずしも先進的な「物/システム」や「サービス」だけではありません。
特に、今の時代、「SDGs」(持続可能な開発目標)に関連する新たな「物/システム」や「サービス」がより重要性及びより必要性を増しています。
具体的には、リノベーション事業やリユース事業などが存在します。これらは、持続可能な開発目標に合致します。さらに、新たなビジネスモデルとして、ノウハウや事業理念などを含む知的資産も存在するとともに、この知的資産の中には、ネーミング(ブランド)やデザインなどの知的財産も含まれています。加えて、このようなケースでは、インターネットを利用する新しいシステム運営も必要になるため、ビジネスモデル特許の対象になるシステム技術も発生します。
Webサイトの情報によれば、リノベーション事業に関連するケースとして、「一つの村の全体をホテル」にする事業が紹介されています。
この事例では、空家をリノベーションし、ホテルとして再生させています。例えば、一軒の空家を一つのホテル(室)として利用できれば、外国人や都会人にとっては、スローライフ(田舎暮らし)を体験しつつゆっくりと休息する魅力的なリゾートして活かすことができます。
今までは普通の「村」として存在していたものが、地域創生により新しい「ホテル」として機能させることができるため、増加する空家問題の解決とビジネスモデルの発生の一石二鳥の効果があります。
さらに、Webサイトの情報によれば、他の事例として、「電力の自給率が230%の町」のケースが紹介されています。
このケースでは、給電設備として太陽光発電ではなく、小水力発電設備を利用しています。小水力発電設備は、近くの川の流れを利用します。そして、水車小屋などを利用すれば、機械的な無機的要素は露出しないため、自然界の景観にも溶け込みます。
これらの事業は、「SDGs」の中でも「クリーンテック」(再生不能資源を使用しない事業)に該当します。
このように、スタートアップ事業としては、新しい革新的なビジネスモデルのみではなく、特に、今の時代では、「SDGs」に関連する新たなリノベーション手法や新たなリユース手法、つまり、古いものを新たに活用するビジネスモデルのスタイルも、スタートアップビジネス(知的資産)として活用できます。