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コロナ禍時代の知的財産 -3-

下田茂

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テーマ:知的財産

 最近、コロナ禍にあって知的財産が見直されているように感じています。
 コロナ禍前であれば、景気が悪くなった場合でも、景気の循環により、「そのうちに良くなるだろう」という、あまり不安感のない楽観視的な雰囲気があり、知的財産の重要性は認識されつつも、さほど真剣に捉えられているようには感じませんでした。
 しかし、コロナ禍は、多くの人にとって初めて遭遇する未知の世界であり、それゆえに、今後における、不透明な中での優位性(競争力)を如何に高めるかの課題意識が働いているのではと推測されます。
 ところで、現在は、「社会」も大きな変動の中にあり、都市部から地方への移住なども進んでいます。この流れは、コロナ禍による一時的なものか持続的なものになるか、今後の動向を見ないとわかりませんが、少なくとも、コロナ禍やテレワーク等の社会の変化が大きく影響していることはハッキリしています。
 今、「半農半X」という言葉が話題になっています。いわば、半分を、農業に当て、半分を、仕事,ボランティア,趣味等に当てる生き方です。半分農業を行えば、自給自足的な側面をある程度満たすことができます。この結果、あとは、Xの部分を利用し、より多彩な生き方に振り向けることができます。
 これからは、個人の価値観の変化、そのベースとなる社会の変化、などにより、「地方」や「農業」を基点とする、様々な生き方による多様性のある社会が出現するかもしれません。もちろん、ここで言う農業は、本来の農業のみならず、林業や漁業も含む1次産業としての農林水産業になります。
 製造業やサービス業の場合、製造、あるいはサービスに、それぞれ特化された仕事内容になりますが、農業の場合、「食」がテーマとなり、消費者に直接アクセスできるため、栽培(生産),加工,流通,販売,NETサービス等の様々な仕事内容が可能であり、一般的には、「農業の6次産業化」と言われています。ある意味、農業の基本システムは、昔の形態に戻っているようにも感じます。
 時を同じくして、日本弁理士会のWebサイトにも、
      「農林水産知的財産特設サイト/農林水産分野無料相談窓口」
が開設されました。
 このように、「農業」は、様々な知的財産が眠っている分野でもあり、今後の発展性を秘めた分野でもあります。したがって、コロナ禍における「農業」分野においては、生活や仕事としての側面のみではなく、新しい栽培方法,生産性を上げるシステム,ユニークな加工方法,鮮度を保つ販売方法,ブランディング方法など、新しい知的財産を生み出す方向にも目を向けてほしいと思います。

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専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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