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下田茂

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下田茂(しもだしげる) / 弁理士

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

無形資産(知的資産)の価値活用<1>

2020年2月15日 公開 / 2021年1月22日更新

テーマ:無形資産

コラムカテゴリ:法律関連

 知的財産の本来の話題からしばらく離れていましたが、今回から無形資産(知的資産)の重要性について書きたい思います。
 最初に、用語について整理すると次のようになります。
     ◆資産…◇有形資産              〔自動車,設備等〕
         ◆無形資産…◇人的資産        〔人的技能等〕
               ◇基盤資産        〔企業文化等〕
               ◆知的資産…◇著作権   〔音楽・文学等〕
                     ◆特許権   〔技術〕
                     ◆実用新案権 〔小技術〕
                     ◆商標権   〔ネーミング・マーク〕
                     ◆意匠権   〔デザイン〕
 「資産」に関する体系は、大体、上のようになります。決まった定義はないため、ケースによっては、知的資産の中に人的資産や基盤資産を含めることもあります。もちろん金融資産などもどこかに含まれます。
 細かな分類はともかく、この中で大きく分けられるのは「無形資産」と「有形資産」です。
 「有形資産」の場合、300万円の自動車を所有すれば、目に見える形があるがゆえに、誰が見ても、その価値の判断に大きなブレは生じないと思います。
 しかし、「無形資産」については、そもそも形がないため、それぞれの頭の中で形を想像(イメージ)するしかありません。想像すらできなければ、0円(無価値)と判断するでしょうし、しっかりとビジョンを持って行動できる人であれば、1億円と判断するかもしれません。
 このように、「形」のないものに対する価値の判断は、人によって大きく分かれます。したがって、人それぞれの人生を決めてしまうかもしれませんし、企業の場合には、経営判断を大きく左右することにもなります。形のない「無形資産」をどのように捉えるかは、人生や企業経営に直接影響を及ぼす重要な要素になります。
 今、新型コロナウィルス(COVID-19)が発生し、企業も個人も未知の不安に直面しています。
 このような未知のウィルスも、いわば肉眼ではっきりと把握できないため、「形」のないものに対する判断力がそのまま影響するかもしれません。例えば、身近に重篤な感染者が発生したとき、それを見てはじめて、これは「大変な事態」になったと判断するかもしれませんし、危機意識が高い人であれば、未知のウィルスが発生したという情報が入った時点で、これは「大変な事態」になるとイメージできるかもしれません。
 そして、無形のものに対する判断は、個人レベルであれば、容易に修正もできますが、企業の経営者や国の指導者など、上層側へ行くほど、その判断による影響は広範囲に及ぶため、容易に修正できませんし、修正自体もできなくなってしまいます。
 数日前、国内ではじめてウィルス感染による死者が出るなど、新型コロナウィルスによる影響も重要なフェーズに入ったと感じています。話がやや脱線してしまいましたが、次回以降、「無形資産」の重要性について触れていきたいと思います。

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