「時間」の概念は存在するのか?
数年前のコラムで、「宇宙の不思議」について書きました。このときは東日本大震災を受けての自然の驚異に目を向けたものでした。
今回、熊本県を中心にした九州で再び大きな地震が起きてしまいました。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
ところで、“天災は忘れた頃にやってくる”ということわざがあります。このことは解るのですが、地震が来ると言われていた所に来なくて地震が来ないと言われていた所に来る、と感じている人は、私だけではないと思います。
不謹慎かもしれませんが、まるで自然が「人の心」を見透かし、いたずらでもしているように感じてしまいます。単なる個人的な感じ方に過ぎませんが、もし、人間の心(意識)と自然の動きが関係しているとしたら皆さんどう思うでしょうか。
私は空想(思考)好きなこともあり、どうしても、大きな自然の動きがあると人間との関わりを考えてしまいます。ある人は、「人間の想像したものが宇宙である」と言っています。人間の「潜在意識」や「顕在意識」などの「意識」が宇宙に匹敵するほど大きなもの、言い換えれば、人間の意識が宇宙に繋がっていることを意味します。
確かに、突き詰めて考えれば、宇宙空間の中に、全ての「物質」や「意識」などが浮遊した状態になっているのが宇宙です。「人の心(人間の意識)」も宇宙空間の中で浮遊し、自然に対しては潜在意識よりも更に奥にある第三の意識を通して相互に繋がっていると思ってます。
また、個人的には、人間の意識(思考)は、相当に大きなエネルギーにより成り立っているとも思っています。このエネルギーは必ずしも物質的なエネルギーではなく、例えば、「思考は現実化する」などの現象に通じるような未知のエネルギーかもしれません。
したがって、「人の心(意識)」が「自然」に作用することなどありえない、とは言い切れません。なお、仮に作用するとしても、それがどのように作用し、どのような結果をもたらすかは、人間に知る由もなく、宇宙の法則を受け入れるしかありません。
哲学的な話になってしまいますが、宇宙には、人間の理解を超えた「宇宙の法則」が存在しています。そして、人間は、その宇宙の法則(真理)の中で生かされている以上、その中身よりも、その存在自体を謙虚に受けとめることが最も大切なことと思っています。このことができれば、真理(宇宙の法則)がどのようなものかは、知らなくてもよいし、知る必要がないとも思っています。
自然界をみれば、例えば、鳥には空を飛ぶ「羽根」があり、猫には早く走れる「足」があります。そして、人間には身を守り生き抜くための「頭脳(思考)」があります。
人間も宇宙(自然)の一部です。与えられた頭脳、つまり、“考える力”により、「正しい思考」(宇宙の法則に沿う思考)を心がけることが人間にとって最も大切なことと思っています。