「なぜ?」を問い続けることが組織を強くする?
はじめに――「パーパス」という言葉の落とし穴
「パーパス経営」「パーパス浸透」――いま、あらゆる企業がこの言葉を
使っている.
入社式で新入社員に語られるテーマも、いまや企業理念やパーパスが
主役だ。
しかし、パーパスは掲げるだけでは浸透しない。社員一人ひとりが
「自分ごと」として捉え、自らの役割を問い直し続けてこそ、はじめて
根を張る。
人事が上手に「響かせ方」を演出しても、それだけでは届かないのだ。
つまり、パーパスとは会社が社員に与えるものではない。
社員一人ひとりの内側から湧き出るものでなければ、どんなに美しい
言葉で掲げても、それは壁に貼られたポスターに過ぎない。
では、社員の内側にある「本当の動機」は、どうすれば引き出せるのか。
その問いに答えるヒントが、一つの根本的な質問の中にある。
魂が震えるような問いを、持っているか
突然だが、あなた自身に問いかけてほしい。
あなたが本当の本当にやりたいことは、何だろうか?
魂が震えるような。
体が躍動するような。
命が燃え上がるような。
この瞬間に死んでもいいと思えるような――
いきなりそう聞かれても、すぐには思いつかないかもしれない。
それで構わない。
むしろ、その問いに戸惑いを感じること自体が、重要なサインだ。
ここで一度、あらゆる制約を取り払ってみよう。
お金の問題も、仕事の都合も、家族や周囲の目も、経験や能力の限界も、
体力の制約も――すべてゼロにする。時間も十分にある。
誰にどう思われるかも、今すぐできるかどうかも、まったく関係ない。
そうなったとき、あなたは何をするか?
言い訳をすべて取り除いたその先に残るもの。それが、その人の本当の
パーパスだ。
「やりたいこと」を持つ社員が、組織を変える
これは個人の夢語りではない。
組織論として見たとき、「本当にやりたいこと」の感覚を持っている社員と、
持っていない社員とでは、仕事への向き合い方がまったく異なる。
前者は自律的に動き、困難にぶつかっても立ち止まらない。後者は指示を
待ち、壁にぶつかると後退する。この差は、スキルや経験の問題ではなく、
内側から湧き出る動機の有無によって生まれる。
経営者からは「成長してほしい方向性を示したい」という声をよく聞く。
しかし、方向性を「示す」だけでは社員は動かない。
社員が自分自身の方向性を「見つける」プロセスを、組織がどう支援するか
――そこが問われている。
社労士として、経営者へ
採用面接で「御社で何をしたいですか?」と聞く前に、
自社がこう問えているかを確認してほしい。
「あなたが本当にやりたいことを、ここで実現できますか?」
この問いに自信を持って答えられる職場は、採用でも定着でも、
圧倒的に強い。
逆に、この問いから目を背けている組織では、社員はいつか
「本当にやりたいこと」を求めて静かに離れていく。
就業規則や賃金制度を整えることは、労務管理の基本だ。
しかしその土台の上に、**「社員が本当の動機と向き合える
職場文化」**を育てることが、これからの経営者に求められて
いる本質的な仕事だと私は考えている。
言い訳をすべて取り除いたとき、残るものが本物だ。
それは社員だけでなく、経営者自身にも問われている。
「あなたが本当にやりたいことを、ここで実現できますか?」
――この問いを起点にした求人の実践例を、先日こうした形で
言葉にした。〔→求人ブログへリンク〕
https://ameblo.jp/mky1961/entry-12967537367.html
ご相談はお気軽に。
━━━━━━━━━━━━━━━━
私事ですが、5月末をもって
MyBestProでの発信を一区切りといたします。
言い訳を取り払った先に残るものへ――
私自身も、次の場所で問い続けてまいります。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━



