座った姿勢と痛み
身体の負担が痛みの要因
メカノセラピーとは、身体に生じる物理的環境をコントロールすることで治療に生かす医療のことです。従来、理学療法やリハビリテーションの領域では、こうした物理的、力学的ストレスをコントロールすることを治療手段として使用してきました。関節軟骨の再生や損傷した靱帯の治療、筋肉や関節の治療などに用いられてきました。宇宙飛行士は、地上に帰還するとリハビリテーションを受けます。宇宙空間では重力がないため、骨や筋肉は委縮し、関節軟骨も減ります。宇宙では重力環境下に対応する必要がなくなり、人の身体は無重力空間に適応する身体になるのです。逆に言うと、私たちは重力環境下に適応できる身体環境を持っているといえます。
重力環境下に適応する身体とは
人の身体は、背骨がS字状になっています。S字ということは、彎曲が3つあるのですが、仮に3つある彎曲が1つになると、背骨にかかる負担は10倍になるといわれています。ストレートネックは首の負担を大きくしますが、背骨がまっすぐなフラットバックになると、さらに負担は増します。筋肉の緊張がまして肩凝りが生じやすくなり、腰痛や膝の痛みなどが発生しやすくなるのです。そして厄介なことに、そうした身体は筋力も低下します。筋力を左右するのは、筋肉の太さだけではありません。柔軟性も大きく影響するのです。背骨を柔らかくすると肋骨の動きが変わります。そうすると肩甲骨の動きが変わり、肩の凝りや肩関節の痛み、ひいては肘の痛みなども変わってきます。背骨の動きは骨盤の動きにも影響します。骨盤の動きは股関節の動きに影響し、股関節の動きは膝関節や足関節の動きに影響します。痛みが出る身体は、重力環境下で動ける柔軟性(衝撃緩衝機能)が低下している状態で、こうした身体の関節は、動的関節適合性が低下している状態です。
痛みが出ない身体つくり
痛みが出ない身体とは、自律神経のバランスが取れて柔軟性が高く、筋力が十分に発揮できている身体といえます。それが、重力環境下に適応出来る身体機能を有している身体なのです。睡眠や食事をしっかりと取り、身体のバイオリズムにあった、バランスのいい生活習慣を心がけることが重要です。今の時期は空気が乾燥していることもあり、水分不足に陥りがちです。水分が不足している身体は、柔軟性が低下し、自律神経のバランスも崩れ、様々な不調に繋がりやすいのです。トレーニング、食事、睡眠のバランスに注意し、痛みが出ない身体つくりを心がけていきましょう。
弊社では、痛みの出ない身体つくりの指導を行っています。興味のある方は、是非ご連絡ください。