採用力では解決できない、職場環境の3つの落とし穴
評価制度の見直しで定着率が改善したケース
評価制度を見直すご相談をいただく際、最初の出発点は決まって「採用してもすぐ辞めてしまう」という悩みです。
お話を詳しく伺っていくと、たどり着く先はたいてい同じところにあります。
評価の基準が現場の実態と合っておらず、頑張っても処遇に反映されない仕組みが、定着率を下げる要因になっているのです。
ある現場では、評価項目を「誰が見ても同じ判断ができる」形に整理し直し、評価の理由を本人にきちんと説明できる仕組みに改めました。
特別なことをしたわけではなく、当たり前のことを当たり前に運用できる状態に近づけた、というのが実感に近い表現です。
その結果、現場からは「なぜその評価なのかが分かるようになった」という声が聞かれるようになり、定着の様子にも変化が見られるようになりました。
これは、制度そのものの完成度よりも、「納得できる説明があるかどうか」が、人の気持ちに大きく影響することを示す一例だと感じています。
管理職研修・1on1導入で離職の予兆をつかめるようになったケース
もう一つ印象的だったのは、管理職向けの研修を通じて、組織側が離職の予兆に早く気づけるようになったケースです。
最初のご相談は「現場で何が起きているのか、上層部に情報が上がってこない」という課題でした。
管理職が部下との対話に慣れておらず、業務連絡以上の会話がほとんど生まれていなかったことが背景にありました。
研修では、フィードバックの伝え方や、部下の話を引き出す対話の進め方を、実践形式で身につけていただきました。
研修後、ある管理職の方から「これまでは部下の様子を『なんとなく』で判断していたが、意識して話を聞くようになって、初めて小さな変化に気づけるようになった」という感想をいただいたことがあります。
この変化が直接的に離職を防いだかどうかを数値で示すことは難しいものの、「辞める前に気づける」体制が整ったこと自体が、組織にとって大きな一歩だったと感じています。
これら二つの事例に共通しているのは、いずれも特別な制度や大きな投資ではなく、「仕組みを整え、丁寧に運用する」という地道な取り組みだったということです。
次の章では、これまでの内容を整理しながら、皆様が次に何をすべきかをお伝えします。
お楽しみに!
黒木美生経営労務管理事務所
採用と定着の課題は、社内だけで見直そうとすると、どこから手をつけるべきか見えにくいものです。
当事務所では、採用項目の設計から、処遇制度との連動、社内環境研修まで、貴社の状況に合わせてご支援しています。
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