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小川玲人

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小川玲人(おがわれいと) / 宅地建物取引士

あいプラン

コラム

騙されるところでした(撃退編)

2017年8月17日 公開 / 2020年5月2日更新

テーマ:不動産の相談

コラムカテゴリ:住宅・建物

たくさんの反響ありがとうございます。お約束通り、撃退編に続きます。

もし、ここからご覧になった方は、前回の(相談編)もご覧ください。




さて、続きですが、結論から言うと、先方の不動産会社は購入しませんでした。と、言いますか、買えませんでした。

なぜか?

ズバリ、はなから悪い物件を購入するつもりがなかったからだと思います(先方に理由は聞いていませんので、あくまで推測という形で)。

それでは、破談までの経緯です。(かなり長いです)


家主様のご相談内容がハイリスクでしたので、アドバイスを行いました。その内容は、「物件を売るのはご自身の自由ですが、良い物件の契約書に文言を付け加えた方が良いです。それは、3ヶ月後に間違いなく悪い物件も買う事。そして契約内容に背いた場合は、良い物件を持ち逃げされても損をしない額を違約金に設定してください。(簡単に要約すると)」と。

そして、こう添えしました。

「ですが、不安を抱えて行う取引は、あまりオススメできません。」とも、お伝えをしました。

契約書でガッチリ固めているから、安心とは限りません。約束の履行(行う事)をして頂くためには、裁判を行うこともあります。また、裁判になれば、基本的に対象物件が所在する裁判所で争います。何かある度に、わざわざ法廷まで出向かなければなりません。出向く時間や、裁判に不安を覚えるなら弁護士を雇うと良いですが、費用が掛かります。また、決着が着くまでずっと争い続けるのですから、常に心のどこかで気にしながら日常生活を送らなければなりません。

これを回避するために、公証人役場で売買契約を公正証書にして取り交わす場合もあります。簡単に言うと、公証人役場にて売買契約を取り交わせば、約束の履行を行わなかった相手方に、裁判をせずに強制執行(差し押さえ等)を行う事ができます。

よって、「お話しを進めたいのでしたら、売買契約は公証人役場にて行うようにしてはいかがでしょうか?」ともアドバイスを行いました。家主様が当該物件の購入を行う際には、県外から喜んで家主様の元まで飛んできたそうです。その相手方が今度は購入して利益を得るのですから、たとえ条件が付いても、先方が口頭で約束した内容を文章にし(違約金をしっかり設定しますが)、その文書が公正証書になろうとも、別に問題ではないでしょう?普通は。

しかしこれ、相手方は公正証書を承諾しないだろうなと思いました。それどころか、たぶん「買わない」と、なるだろうなと思いました。

結果・・・・「今回のお取引はお断りします」だそうです(笑)

予想の斜め上を行くお返事でした。どやねん。

でも、断られた家主様、スッキリされていました。

実は、契約書を書く前に、「不安だからやっぱりやめたいです」と先方に言ったそうです。その際には「売ると言ったのだから、契約は成立している。やめるなら違約金を払ってください」と言われてたそうです。四角四面に言えばそうですが、自分を信じてくれた人にどんどん購入させといて、苦しんでたら足元見て、思い通りにならなかったら法律持ち出して。そりゃないでしょって思います。


厳密に言えば、今回の動きは不動産コンサルになると思います。文章では簡素化して書いていますので見返すとたったこれだけかと思いますが、実は紆余曲折あって、色々と考えを巡らせました。そのまま売却していたらどうなっていたか分かりませんが、結果として家主様から喜んで頂き、本当に良かったです。

これが、「地元の不動産屋さん」の力なんだって自分を誇りたいと思いました。

終わり

http://www.koshonin.gr.jp/business/b09←公正証書とは?が書かれています。一度ご覧ください。(相続やその他諸々役立ちます✌)

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