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コラム

朗読ボランティア 「杜の音通信」(№ 56)

2019年5月26日 公開 / 2019年7月15日更新

テーマ:朗読

コラムカテゴリ:スクール・習い事

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
令和元年5月は、以下の4作品を朗読しました。


① 小川 未明 原作/堀尾 青史 脚本/遠藤 てるよ 絵 紙芝居 「つきよとめがね」
② 森下 典子 作 「いとしいたべもの」 より 「おはぎのおもいで」
③ 光原 百合 作 「星月夜の夢がたり」 より 「大岡裁き」
④ 向田 邦子 作 「父の詫び状」 より 「身体髪膚」


① 小川 未明 原作 紙芝居 「つきよとめがね」

 

おばあさんと蝶の女の子が出会う、不思議で幻想的な一夜を描いたこの作品。
小川未明原作の味わいを生かしながら、ロングセラーを多数生み出した名脚本家
堀尾青史さんによるゆったりとした語り口と、
画家・遠藤てるよさんによる柔らかで鮮やかな絵があわさって、
他にはない魅力的な世界を生み出しています。



今回は、堀さんが小川未明の幻想的な世界を、優しく届けてくれました。
杜の音の皆さんも、ゆったりと聞き入って下さったようです。

② 森下 典子 作「いとしいたべもの」より「おはぎのおもいで」

 


ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が甦る・・・・・
だれもが覚えのある体験を、ユーモアと優しさに満ちた視点で描かれたエッセイ。



今回は、加藤さんが、作者の思いを丁寧に表現してくれました。
杜の音の皆さんも、ご自身の体験と重ね合わせて、じっくりと聴き入ってくれたようです。

③ 光原 百合 作 「星月夜の夢がたり」 より 「大岡裁き」




名奉行 大岡越前守のもとに、難題が持ち込まれた。
赤子をめぐって、二人の女が、どちらも自分の子だと言い張って譲らない。

両方から腕を引かれた赤子が大声で泣き出したとき、一方の女が手を離してしまった。
それを見た越前守は、手を離した方がまことの親だと裁きを下した。
さて、その後・・・・・。



今回は 「大岡裁き」 のスピンオフのような作品を、村山さんが朗読しました。
「聞いていて、映像が浮かんだ」 という感想を頂きました。

④ 向田 邦子 作 「父の詫び状」 より 「身体髪膚」

 


「身体髪膚 之ヲ父母ニ受ク 敢テ毀傷セザルハ 孝ノ始メナリ」

これは、

「私たちの体は、髪の毛から皮膚に至るまで、すべてが父母から貰ったものである。
自分の身体を大事にすることが、親孝行の第一歩である」

という意味で、体に残る小さな傷を通しての、向田さんの家族への思いが
温かい眼差しで描かれた作品です。



読み終わった後、1人の女性の方が 「小さい頃の家族のことを思い出しちゃった」 といって、
涙ぐんでいたのが印象的でした。
体に残る 「小さな傷痕」 は、当時のことを思い出す 「スイッチ」 のような気がします。



読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、
読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


当日の詳しい模様は、こちらをご覧ください!
https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-5.php

この記事を書いたプロ

長野淳子

生きた言葉のプロ

長野淳子(ステージ・アップ)

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