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朗読劇 「悪女について」 秋田公演を終えて|出会いと感謝

2015年4月30日 公開 / 2015年7月1日更新

テーマ:朗読

コラムカテゴリ:スクール・習い事

4月25日㈯ 朗読劇 「悪女について」 の秋田公演が上演されました。
「悪女について」 秋田 プログラム
 
当日はお天気にも恵まれ、昼の部・夜の部合わせて150名近くのお客様がお越し下さり、
会場のココラボラトリーは、開演前から熱い熱気に包まれました。

朗読劇 「悪女について」への出演

有吉佐和子原作のこの作品は、「魔性の女」 「稀代の悪女」 と言われた、
実業家 「富小路公子」 の死の真相を、一人のルポライターが、解き明かしていくというもので、
彼女を知る人々が、インタビューに答えるという形で 「富小路公子」 が浮かび上がっていきます。

私は、この 「悪女について」 は、東京・横浜・仙台・秋田と今回で4回目の出演で、
これまで、東京と横浜では、幼なじみの 「丸井牧子」 役、
仙台では 「銀座のバアのマダム」役、
そして今回秋田では、ドレスデザイナーの 「林梨江」 役と、3役演じてきましたが、
「処かわれば品かわる」 とはよく言ったもので、同じ作品でも 「登場人物」 や 「編集の仕方」 で
ニュアンスが変わり、あらためて新鮮な気持ちで臨むことができました。



特に今回は、9名の出演者の内、男性が4名・女性が5名と、男女のバランスもよく、
又、共演者のほとんどが秋田の劇団で活躍している役者さんたちで、実に刺激的でした。
その役者さんたちに言わせると 「朗読劇は芝居より難しい」 という以外な声もありました。

更に、今回私にとって初めての経験だったのが、「1日2回公演」 ということでした。
中でも印象的だったのは、1回目と2回目のお客様の 「反応の違い」 でした。
1回目は、客席が熱気に溢れ、それに導かれる様に私自身も楽しんで演じる事ができました。
2回目は、ピリッとした雰囲気に緊張して、稽古通りかっちりと演じたという感じでした。

これは他の出演者も同じように感じたことでしたが、後から聞いたところ、
1回目は一般のお客様が多く、2回目は朗読や芝居をやっている方が多かったということで
「なるほど~」 と、妙に納得しました。

当日は、遠くは東京から、NPO日本朗読文化協会の理事長をはじめ3名の方がお越し下さり、
又、学生時代の友人が、能代から1時間かけてご主人と一緒に駆けつけてくれたり、
更に、「悪女について」 仙台公演の共演者から、連名で素適なお花が届いたりと、嬉しいことがいっぱいで
その度に思わず 「まああ~~~」 という、主人公富小路公子のセリフが、口をついて出ました。

中でも仙台から届いたお花が目を引き 「長野さん、すてきなお花ね!!どなたから?」 と聞かれ
「悪女について」 の仙台公演の時の共演者です・・・と答えたのをきっかけに、
ひとしきり 「仙台公演」 の話に、それこそ花が咲きました。
秋田公演 贈花

頂いたお花を、どうしても仙台に持ち帰りたくて、お花屋さんから貰った段ボールに入れて
大事に大事に持って、仙台まで新幹線に、自宅までタクシーに乗りました。

新幹線で隣り合わせた女性の方や、タクシーの運転手さんに 「きれいなお花ですね!」
「いい香りですね!」 と声を掛けられ、そこでまたひとしきり公演の話になりました。
今お花は、自宅のリビングで見事に咲き誇っています。持って帰った甲斐がありました。

朗読を通じた出会いと感謝の気持ち

振り返れば、今年1月から始まった 「秋田通い」 は、本番を含めて5回になりました。
初めは、新幹線の盛岡以北のゆっくりさや、列車の待ち合わせのために停車することや、
大曲からの逆走行など、びっくりすることの連続でしたが、そうしたことにもいつしか慣れ、
東京~仙台間より遠い2時間半という距離も、苦にならなくなりました。

かえって、通うたびにグングン仕上がっていく、共演者の皆さんに刺激を受け、
又、仙台からの私を温かく迎え入れて下さる心遣いに、毎回伺うのが楽しみになりました。

1月~2月は、雪にすっぽり覆われていた山々が、3月に入ると木の根元から雪が解け始め
線路沿いの渓流のそばには、水芭蕉がたくさん顔を出しました。
4月に入ると、山からの雪解け水で川はエメラルドグリーンに輝き、山桜が色を添えました。
秋田の春

冬から春へと季節の移り変わりを感じながらの 「秋田通い」 はとても楽しいものでしたので
もう行かないんだ・・・と思うと、なんだかさみしい気もしますが、お陰様で公演も盛況のうちに
無事終えることができたので、今はホッとしているところです。

今回私は、日本朗読文化協会のお仲間の、安倍眞壽美さんが率いる 「ひいらぎの会」 に
友情出演という形で、参加させて頂きましたが、
無事に終わってみれば、「やって良かった」 と笑顔で振り返ることができますが、
会の代表として当日を迎えるまでの安倍さんの御苦労は、いかばかりかとお察しします。
ひとつの作品を上演するにあたって、会を束ねるということは本当に大変なことだと思います。

又今回、1人1人の出番の間に生演奏を入れてくれた、チェロの森義丸君をはじめとして、
「これからの若い人たちに活動の場を提供し、その才能を育てる」 という安倍さんの温かい想いに、
胸が熱くなり、頭が下がりました。

当日会場にお越し頂いたたくさんのお客様、
声のグループ 「ひいらぎの会」 代表の安倍眞壽美さん、
ご一緒させて頂いた出演者の皆様、更にお世話頂きましたスタッフの方々
そして、仙台から応援してくれた、ステージ・アップのメンバーの皆さん、本当にありがとうございました。
皆様から頂いた温かい気持ちを胸に、これからも活動していきたいと思います。

朗読劇 「悪女について」 秋田公演

「悪女について」 仙台公演 http://www.stage-up.info/cat6/post-61.php
「悪女について」 東京公演 http://www.stage-up.info/cat6/post-47.php

この記事を書いたプロ

長野淳子

生きた言葉のプロ

長野淳子(ステージ・アップ)

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