「ねんきん定期便」を活用しよう!【2】何のための年金か ~人生は長い~
50歳未満の方々に届く資料を使って説明を続けます。
「(参考)将来の年金見込み額をご自分で試算できます。」を出してください。
今回は上半分、国民年金部分(基礎年金)を見ていきます。
◆が2つありますね?? 上が”これまで”、下が”今後”。
※ ここでは「付加保険料」の説明は省略します。
”これまで”の「保険料納付済月数」がいくつになっているでしょうか??
例えば35歳の例を挙げてみましょう。
20歳になってからも大学の間は納めず、厚生年金(会社勤め)になってから
納め始めたとすると、
35歳-23歳=12年、ですね。
”今後”を考えてみます。
35歳の人が60歳になるまで、勤め続けるとします。
60歳-35歳=25年、ですね。
20歳から60歳までの40年間での合計が
12年+25年=37年、ということになります。
2011年度の国民年金の満額は78万8900円です。
計算してみると、78万8900円×37年/40年となり、
年額72万9700円という計算です。
実際には、こんなにきれいに”年単位”で数えられる人は珍しく、
”月単位”で数えないといけない人がほとんどです。
数えるのが少し面倒かもしれませんが、正しい試算のためには必要です。
また、国民年金を試算するにあたっては、
”これまで”と”今後”で考えるのではなく、
20歳から60歳までの40年間で何年の加入になりそうか
を確認してもらう手法をお勧めしています。
もちろん厚生年金でお勤めの期間も含まれます。
そのうえで、”月単位”での計算が必要であれば、
年数を月数に直して計算機を使ってもらえばOKです。
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そして、たいせつになってくるのは満額(40年=480月)に満たないケース。
35歳の例に戻ると、満額には3年足りませんよね。
ここで登場するのは「任意加入」という制度。
60歳以降65歳までの5年間、手続きをすれば国民年金に加入できます。
例では、この5年間のうち3年分を納めれば満額、ということになります。
なお、いくら将来受け取る年金を増やしたいからといっても、
満額以上は加入できません。
ここで気をつけないといけないのは、自分で手続きする必要があるということ。
年金機構さんが親切に、
「あなたは満額に3年足りませんね。任意加入の手続きをしませんか??」
なんて案内は間違いなくありません。
また、任意加入する際に知っておいてもらいたいのは、
国民年金の保険料は2017年まで毎年上がっていくということ。
<参照コラム>
【9】保険料は2017年まで上がり続ける!
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/3428/
実際に納めることになる保険料の総額と、将来受け取る年金がいくら増えるのかを
確認したうえで任意加入を選択してください。
メリットとしては、この任意加入で納める国民年金保険料の全額が社会保険料控除
となること。年末調整や確定申告の際に使えますので、税制メリットが非常に
大きいのも特長です。
もう1つ注意が必要なのは、60歳以降も厚生年金で勤めるとき。
厚生年金に加入しながら、同時に国民年金の任意加入はできません。
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いかがでしょうか。
この「任意加入」という仕組み、現在のところは将来受け取る年金を増やすために
かなり効果がありますのでお勧めです。
次回は厚生年金部分の解説です。
※ 国民年金に、免除や猶予の期間がある場合の説明は省略させてください。
※ 共済(公務員等)期間の情報は一切を省略しています。
<注記>
年金にはさまざまなパターンが存在します。
コラムでは代表的な例しか取り上げることができません。
気になることや確認したいことは、所轄の年金事務所へお問い合わせください。
記録に関する正確な情報は、間違いなく年金事務所で確認できます。
よりよい受け取り方や付随する情報等を希望されるようでしたら、
お近くのFPや社会保険労務士さんをお尋ねください。
その際には、私も含め相談に関しては有料が多いと思いますので
ご留意のうえ、ご活用くださいませ。
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ご意見・お問い合わせはこちらから。
https://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/inquiry/personal/
日々をつづった日報はブログにて。【2009年9月より毎日更新中】
http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/
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