「ねんきん定期便」を見てみよう!【12】将来受け取る国民年金を試算してみる!

伊藤俊輔

伊藤俊輔

テーマ:ねんきん


 50歳未満の方々に届く資料を使って説明を続けます。

 「(参考)将来の年金見込み額をご自分で試算できます。」を出してください。
 今回は上半分、国民年金部分(基礎年金)を見ていきます。
 
 ◆が2つありますね?? 上が”これまで”、下が”今後”。
  ※ ここでは「付加保険料」の説明は省略します。


 ”これまで”の「保険料納付済月数」がいくつになっているでしょうか??

 例えば35歳の例を挙げてみましょう。
 20歳になってからも大学の間は納めず、厚生年金(会社勤め)になってから
 納め始めたとすると、
 35歳-23歳=12年、ですね。


 ”今後”を考えてみます。

 35歳の人が60歳になるまで、勤め続けるとします。
 60歳-35歳=25年、ですね。
 
 20歳から60歳までの40年間での合計が
 12年+25年=37年、ということになります。

 2011年度の国民年金の満額は78万8900円です。
 計算してみると、78万8900円×37年/40年となり、
 年額72万9700円という計算です。
 
 
 実際には、こんなにきれいに”年単位”で数えられる人は珍しく、
 ”月単位”で数えないといけない人がほとんどです。
 数えるのが少し面倒かもしれませんが、正しい試算のためには必要です。


 また、国民年金を試算するにあたっては、
 ”これまで”と”今後”で考えるのではなく、
 20歳から60歳までの40年間で何年の加入になりそうか
 を確認してもらう手法をお勧めしています。
 もちろん厚生年金でお勤めの期間も含まれます。

 そのうえで、”月単位”での計算が必要であれば、
 年数を月数に直して計算機を使ってもらえばOKです。

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 そして、たいせつになってくるのは満額(40年=480月)に満たないケース。
 35歳の例に戻ると、満額には3年足りませんよね。

 ここで登場するのは「任意加入」という制度。
 60歳以降65歳までの5年間、手続きをすれば国民年金に加入できます。
 例では、この5年間のうち3年分を納めれば満額、ということになります。

 なお、いくら将来受け取る年金を増やしたいからといっても、
 満額以上は加入できません。


 ここで気をつけないといけないのは、自分で手続きする必要があるということ。
 年金機構さんが親切に、
 「あなたは満額に3年足りませんね。任意加入の手続きをしませんか??」
 なんて案内は間違いなくありません。


 また、任意加入する際に知っておいてもらいたいのは、
 国民年金の保険料は2017年まで毎年上がっていくということ。
 <参照コラム>
   【9】保険料は2017年まで上がり続ける!
   http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/3428/

 実際に納めることになる保険料の総額と、将来受け取る年金がいくら増えるのかを
 確認したうえで任意加入を選択してください。


 メリットとしては、この任意加入で納める国民年金保険料の全額が社会保険料控除
 となること。年末調整や確定申告の際に使えますので、税制メリットが非常に
 大きいのも特長です。


 もう1つ注意が必要なのは、60歳以降も厚生年金で勤めるとき。
 厚生年金に加入しながら、同時に国民年金の任意加入はできません。

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 いかがでしょうか。
 この「任意加入」という仕組み、現在のところは将来受け取る年金を増やすために
 かなり効果がありますのでお勧めです。
 
 次回は厚生年金部分の解説です。


 ※ 国民年金に、免除や猶予の期間がある場合の説明は省略させてください。
 ※ 共済(公務員等)期間の情報は一切を省略しています。

 <注記>
 年金にはさまざまなパターンが存在します。
 コラムでは代表的な例しか取り上げることができません。
 気になることや確認したいことは、所轄の年金事務所へお問い合わせください。
 記録に関する正確な情報は、間違いなく年金事務所で確認できます。

 よりよい受け取り方や付随する情報等を希望されるようでしたら、
 お近くのFPや社会保険労務士さんをお尋ねください。
 その際には、私も含め相談に関しては有料が多いと思いますので
 ご留意のうえ、ご活用くださいませ。
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 ご意見・お問い合わせはこちらから。
  https://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/inquiry/personal/

 日々をつづった日報はブログにて。【2009年9月より毎日更新中】
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/

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 http://money-2nd.com

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伊藤俊輔(ファイナンシャルプランナー)

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