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「ねんきん定期便」を活用しよう!【7】万が一、障がい者になってしまったときに。

2011年12月13日 公開 / 2012年8月21日更新

テーマ:ねんきん

コラムカテゴリ:お金・保険


 前回から約20日が経ってしまいました。失礼しました。


 前回までは公的年金に備わる遺族保障の仕組みを解説してきました。
 今回は病気やケガで障がい者になってしまったときの「障害年金」を見ていきます。


 遺族保障に国民年金部分と厚生年金部分があったように、
 障がい者になってしまったときの保障である障害年金にも
 国民年金部分と厚生年金部分があります。

 具体的に見ていきましょう。


■国民年金部分の障害年金:障害基礎年金
  ・1級:986,100円/年
  ・2級:788,900円/年

■厚生年金部分の障害年金:障害厚生年金
  ・将来受け取る年金額と同じ。
    加入期間25年未満は25年加入とみなす。
     ※ 遺族年金の計算と同様に「ねんきん定期便」で試算できます。
  ・障害等級1級の場合は、×1.25倍。
  ・等級3級あり。年金額590,000円。


 障がい者であると認められれば、認められている期間ずっと受け取ることができます。
 もちろん認められるためには、さまざまな期間の制限や確認があります。
 このコラムでは文量の関係でその詳細を取り上げることができません。ご了承ください。

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 このコラムを読んでくださっている方々で、
 お近くに20歳を超えた学生さんはおられませんか??

 20歳を超えると国民年金の対象者(被保険者)です。
 親御さんが気を利かせて払っておいてくれたり、
 免除の手続きをされていれば、まったく問題ありません。

 ただし、未納のままほったらかされていると・・・

 20歳前後というのは多感な時期です。
 車の免許を取って親や友人の車に乗ったり、
 レンタカーでドライブしたり、バイクに乗ったり。

 万が一、事故に遭って障がい者になってしまったら・・・
 障害年金の有無は言葉で書き表せないほどに大きな違いとなってしまいます。


 お近くに20歳を超えた学生さんはおられれば、
 必ず国民年金を納めるもしくは免除の申請に行くように伝えてください。
 すぐに手続きにいくように、すぐに伝えてあげてください。


 なお、国民年金の免除と猶予についてはいくつか種類があります。
 学生や無職等で収入がない、または少ないという場合には、
 悩まずにお住まいの自治体窓口へ足を運びましょう。

 個別の相談を受けていると、20代のころはやんちゃしてたので年金なんて
 払っていませんでしたという方々ともお会いします。
 事故等が無くて本当に良かったとお伝えしています。

 
 年金制度は社会保障です。
 死亡時・障がい者になってしまったとき、そして将来。
 年金を納めない選択肢は無いと信じています。

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 最後に、障がいのイメージを書かせていただきます。
 歩けない、ほぼ見えない、ほぼ聞こえない、しゃべれないなど
 程度の重いものがほとんどです。

 白血病や、最近では程度の重いうつ病も2級だということです。


 また、障害等級と年金上の等級は異なります。
 例えば、ペースメーカーは障害等級1級ですが、
 年金上の等級は3級ですので厚生年金のみ給付です。
 詳しくは日本年金機構のこちらのWebをご確認ください。
  http://www.nenkin.go.jp/main/individual_02/index4-1.html
 

 学生さんはもちろん、障害年金という仕組みをご存じない方々が
 たくさんおられるのも事実のようです。
 たいせつな社会保障の仕組みですが、現在は申請主義です。
 何かのきっかけでこの仕組みを知り、助かる人がおられるかもしれません。


 遺族年金は死亡届を出す際に手続きを教えてくれます。
 しかし、障害年金は役所との接点が生まれないケースがあります。
 通っている病院でそこまで説明しない(できない)ケースもあることと思います。

 障害年金、頭の片隅にぜひ覚えておいてください、


 なお、障害年金を受け取るための権利としては遺族年金と同じです。
  参照過去コラム
   http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/3953/

 「死亡日」を「初診日」におきかえてください。
 事故にあった日にあわてて納めても間に合いません。

 
 たいせつな仕組み、知っておいて損はありません。

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 <注記>
 年金に関する具体的な金額は2011年度のものを取り上げています。
 物価の変動等に応じて年金額は調整されますので、ご注意ください。
 なお、調整は余程のことがない限りコンマ数%の範囲ですので、
 現在のところ突然に何割も変わるようなことは考えられません。

 また、コラムでは代表的な例しか取り上げることができません。
 気になることや確認したいことは、所轄の年金事務所へお問い合わせください。
 記録や給付に関する正確な情報は、間違いなく年金事務所で確認できます。

 よりよい受け取り方や付随する情報等を希望されるようでしたら、
 お近くのFPや社会保険労務士さんをお尋ねください。
 その際には、私も含め相談に関しては有料が多いと思いますので
 ご留意のうえ、ご活用くださいませ。
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 ご意見・お問い合わせはこちらから。
  https://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/inquiry/personal/

 日々をつづった日報はブログにて。【2009年9月より毎日更新中】
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/

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 京極・出町FP相談 ~お金にもセカンドオピニオンを~
 http://money-2nd.com

この記事を書いたプロ

伊藤俊輔

年金重視「FP相談」のプロ

伊藤俊輔(京極・出町FP相談)

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