相続に関する手続き~私の経験した一連の流れ(5)郵便局での手続き~

笠中晴司

笠中晴司

テーマ:相続

引き続き,私の親族の相続に関し,私の経験と一般知識をご紹介します。

今回は,郵便局での手続きです。

1 簡易保険の取り扱い

まず,私の親族は「簡易保険」の契約をしていることはわかっていました。
そして,その受取人は,私とは違う親族に指定されていましたので,保険金請求は,契約で指定された受取人が行うことになります。

これは,遺言執行者が私に指定されていても,契約上の受取人が請求手続きを行うということです。

なぜかというと,死亡保険金(簡易保険に関わらず,生命保険すべて)は,基本的には,「遺産」とは異なり,受取人に指定された人の財産という扱いがされるからです。
(但し,相続税の税務申告上は,死亡保険金も「相続財産」の一部となり,取扱いが異なりますので,その点は,ご注意ください)

ですので,遺言執行者が行う遺産の処理の範囲外という理解になるのです。

2 貯金の取り扱い

 一方,死亡した親族につき,郵便局で貯金があるのかは判明していませんでした。

 そこで,郵便局に尋ねると,「相続人や遺言執行者であることが確認できれば,郵便局の取引の有無につき,回答する」ということでした。
 
 よって,貯金の有無の照会を行った結果,わずかですが,貯金があることがわかりました。

 そこからは,銀行の預金の相続手続きとよく似た感じです。

 ただ,郵便局は,相続貯金の事務手続きを基本的に本部で一括して行っているらしく,書類の受付だけを各郵便局で行い,その受付した書類を本部に送付し,本部が中身を確認して,必要な書類を請求者に送付してくるという流れでした(ここまでは別に手続きした信金と同じ)。

 そして,さらに,本部から書類が送付された後,指定された書類への署名・押印や,必要書類を揃えて,また郵便局に提出します。
 その後,受付された書類を本部に送り,本部が相続の手続きをするという流れになりました(別に手続きした信金は,支店で預金解約手続きをしてくれたので,その日に相続預金を受け取ることができました)。

 結果,最終的に,本部で手続きが終わり,相続貯金を受け取ることができるのが,最後に郵便局へ書面を提出した後,1~2週間かかるということでした。

 なお,他の銀行に相続の際の手続きを尋ねる機会がありましたので,尋ねてみると,「うちの銀行も相続手続きは基本的に本部の専門部署が行います。その理由は,手続きが煩雑であり,間違いがあっては困るので,専門部署で行ったほうがよいという考えからです。都銀はほとんどそのような取り扱いと思います。」ということでした。

 ですので,結論としては,本部に書類を送付する分,実際に相続預金を手にするまでは,時間がかかるということかと思います。

 以上,ご参考になりましたら,幸いです。

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笠中晴司
専門家

笠中晴司(弁護士)

丹波橋法律事務所

大学卒業後,民間企業(地元銀行)で10年間勤務。その後,志をもって弁護士を目指し,弁護士になってから丸17年の経験を積みました。経験に基づく,バランス感覚は,他の弁護士より優れていると自負しています。

笠中晴司プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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