交通事故の損害賠償債務で破産!?

笠中晴司

笠中晴司

テーマ:交通事故 実際の例など

交通事故により加害者となった場合,被害者に対し,賠償義務を負うことは当然ご存知だと思います。

また,その金額が高額となることがあることも,ある程度,ご存知の方も多いでしょう。

では具体的に,賠償しないといけない金額は,最大で,いくらくらいになる場合があるのでしょうか。

簡単にいうと,相手に怪我があった場合の損害である人身損害としては,最大3億円超となるケースがあります。
また,相手の財産に損害が発生した場合の物的損害でも1億を超える損害賠償義務が発生する場合があります。

なお,物的損害は人身に比べて,安くて済むイメージをお持ちかもしれませんが,それは違います。
つまり,例えば,相手の車が,超高級車で1億を超える場合があることは容易に想像できるでしょう。
さらに,車だけでなく,家などの建物やガードレール等の道路関係のものを破損した場合は,それらを再建する費用を負担しないといけませんので,賠償額が高額になることはご理解いただけると思います。

もちろん,加害者となられた場合でも,保障金額「無制限」(人身損害や物的損害と分けて補償額を決めることになっていますので,ご注意ください)の任意保険に加入している場合は,当然,契約している保険会社が支払ってくれます。
しかし,保険に加入していない場合や保険で保障される金額に制限があり,その金額を超えた賠償が必要となった場合は,どうなるのでしょうか。

その場合は,加害者自身の財産や収入から支払う必要があります。

つまり,加害者から被害者に対し任意で支払うことができない場合は,加害者は,自身の預金や給料の差し押さえをされたりします。
また,賠償額が大きな場合は,自宅を失ってしまうという事態も発生する可能性があります。

さらに,その賠償額があまりに過大で,財産や収入から支払うことができない場合は,「破産」という結論さえあり得るのです。

ここまでお読みいただいた皆様は,保険の重要性を再認識していただけたと思います。

何か,保険のセールスみたいになりましたが,被害者側から委任された弁護士としても,相手に保険がないと非常に困る場合があります。

ですので,自動車に乗られる方は,保障限度額無制限の保険にご加入いただければと思います。

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笠中晴司
専門家

笠中晴司(弁護士)

丹波橋法律事務所

大学卒業後,民間企業(地元銀行)で10年間勤務。その後,志をもって弁護士を目指し,弁護士になってから丸17年の経験を積みました。経験に基づく,バランス感覚は,他の弁護士より優れていると自負しています。

笠中晴司プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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