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(消費税の用途区分)個別対応方式における課税売上対応分

佐々木保幸

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テーマ:個人・法人 共通の税金

1.共通対応分とは、原則として課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れが該当します。
例えば、課税売上と非課税売上がある場合に、それらに共通して使用される(それらの明確な対応関係がない)物品などの購入費用や、テナント料、リース料、電話料金、電気・ガス・水道料金などの課税仕入れが該当します。
※ 交際費に該当する課税仕入れ
交際費に該当する課税仕入れは、原則として共通売上対応分として区分することとなります。
なお、交際費としての支出の目的や相手方に応じて用途区分を判定することは認められますので、例えば、課税売上のみを行っている相手方に対する歳暮や中元に係る課税仕入れであることが特定できるものについては、課税売上対応分として区分することとなります。
※ 寄附目的の課税仕入れ
寄附する目的で購入した物品に係る課税仕入れは、寄附として行う物品の贈与が、課税売上とも非課税売上とも明確な対応関係がないので共通売上対応分に区分することとなります。

また、課税仕入れを行った課税期間の末日までに、用途が決まらない課税仕入れについては、課税売上対応分又は非課税売上対応分のいずれにも区分されませんので、共通売上対応分として区分することとなります。

2.課税仕入れの用途区分は、事業者の業種、経営方針、収入項目などを基準に決定されるものであり、単純に勘定科目により区分できるものではありません。
課税仕入れの区分は、①支出項目から課税仕入れの金額を拾い出す。
②拾い出した課税仕入れの金額から、さらに課税売上対応分と非課税売上対応分をそれぞれ拾い出す。その結果課税仕入れの金額のうち余ったものが共通売上対応分となります。

3.個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れについて、必ず、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通売上対応分に区分しなければなりなせん。この用途区分は、個々の課税仕入れごと(取引ごと)に行う必要があります。
なお、課税仕入れの中から課税売上対応分のみを拾い出して、残りを全て共通売上対応分として区分することは認められません。
また、課税仕入れを行った日において、その用途が明らかでない場合もあり得ることから、その課税期間の末日までに用途区分が明らかにされた場合には、その用途区分されたところによって個別対応方式による仕入控除税額の計算を行っても差し支えありません。

4.個別対応方式は、その課税期間における個々の課税仕入れのすべてについて、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通売上対応分に区分し、その区分が明らかにされている場合に適用できる計算方法です。例えば、課税仕入れに係る帳簿にその用途区分を記載する、又は、会計ソフトにその用途区分を入力するなど、申告後においても客観的に判断できるように用途区分されていればよく、その区分方法は問いません。

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佐々木保幸
専門家

佐々木保幸(税理士)

税理士法人 洛

会計の数値をもとに、経営を一緒に考え共に成長を目指す。弁護士など異業種との交流も深く、お金にまつわることであれば専門外の問題にも力を発揮。税務関連の講師も務める。

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