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こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
はじめに
厚生労働省は、8月3日に「労働争議統計調査」を公表しました。
今回は、公表された調査をもとに、企業経営者や人事担当者が押さえるべき「労働争議」の実態とリスク対策を解説します。
第1部では、労働争議統計調査の目的と歴史的沿革を振り返り、現代における「隠れ労使対立」の変化と経営上の重要性について解説します。
労働争議調査の目的と歴史的背景
労働争議統計調査は、我が国における労使紛争の実態を把握し、労働行政の推進や労働環境の改善に向けた基礎資料とすることを目的としています。
| 項目 | 詳細・推移 | 経営・労務への影響 |
|---|---|---|
| 昭和49(1974)年 | 年間 10,462件(過去最多) | オイルショック期における激しいストライキや作業所閉鎖の頻発 |
| 近年(令和7年等) | 年間300件前後(令和7年は 295件) | 争議件数は底打ち・横ばい傾向 |
昭和49(1974)年の高度経済成長期・オイルショック期には、総争議件数が年間10,462件と過去ピークを記録しました。
賃上げ要求や労働条件改定を目的とした大規模なストライキや作業所閉鎖などが頻発し、激しい労働運動が行われました。
しかし、その後の産業構造の変化や雇用形態の多様化、労使協調路線の定着等に伴い、争議件数は急速に減少しました。
近年では年間300件前後の底打ち・横ばい傾向で推移しており、最新の令和7(2025)年調査での総争議件数は295件(前年比6.1%増)となっています。
「ストライキ」から「隠れ労使対立」への変化
現代の経営において、「自社には労働組合がないから労働争議は無縁」ではありません。以前のように自社の労働組合が全社ストライキを起こすような争議は減少し、代わりに増加しているのが「個人加盟型合同労組」への駆け込みです。
解雇や残業代未払いやパワハラ問題などをきっかけに、従業員が外部の団体に個人で加入し、ある日突然、団体交渉の申し入れ通知が会社に届くというケースがみられます。
表立っての活動は少なくても、未払い残業や不当な配置転換への不満が引き起こす「隠れ労使対立」が潜在化しており、外部を巻き込んだ紛争へと拡大する構造となっています。
なぜ労働争議リスクに目を向けるのか
労使対立は単なる労務トラブルにとどまらず、企業の財務や労務に悪影響を及ぼします。
1.財務上のリスク
紛争が長引く企業や不当労働行為が問題となっている企業は、コンプライアンスリスクおよびガバナンス欠如と判定され、融資や商取引といった外部の評価に影響を受けることがあります。
2.労務上のリスク
不誠実な団体交渉や法知識の欠如による対応のまずさは、法的損害賠償や社会的信用の失墜に繋がります。
人手不足が深刻化する今こそ、統計データから傾向を把握し、予防的な労務対応と偶発債務の極小化といった財務リスクの軽減といった、「財務×労務」の対策が必要となります。
まとめ
今回は労働争議統計調査の目的や現状を解説しました。
【今回のポイント】
- 労働争議件数はピーク時から大幅に減少しているが、減少傾向は底打ち
- 労働争議は、自社組合によるストライキから、外部団体を活用した「隠れ労使対立」へ変化
- 労使紛争は法的リスクのみならず、資金繰りといった財務にも悪影響
第2部では、厚生労働省のデータを基に、労働争議の要求事項や解決までの所要期間などの現状を詳しく解説します。
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