糖尿病予防
夏は冷たい飲み物を飲む機会が多くなりますが、清涼飲料水の飲みすぎには注意しましょう。とくに糖尿病の方や若年者や子供では、喉が渇きやすいなどの高血糖症状に気づかずに清涼飲料水を多量摂取して重症化し、医療機関を受診するケースもあります。
ペットボトル症候群は清涼飲料水ケトーシス・ケトアシドーシスとも呼ばれ、清涼飲料水の過量摂取により誘発されます。思春期から青年期の肥満男性に多く、不登校歴とも関連するといわれています。これは、思春期には成長ホルモンや性ステロイドの影響によりインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる)が増大し、高インスリン血症にあるといわれているからです。
習慣的な糖(清涼飲料水)の摂取
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高血糖
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口渇・脱水
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糖(清涼飲料水)の摂取の悪循環
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糖毒性・インスリン分泌と作用の低下(インスリン抵抗性)
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インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴンやカテコラミン,成長ホルモンの過剰
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糖利用の低下や脂肪分解の亢進
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高血糖と高ケトン血症
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発症
清涼飲料水ケトーシスに特有の治療法はなく、通常は糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)に準じた治療が行われます。普段から血糖値が高めと言われている方はもちろんですが、肥満があって、口渇や多飲の自覚がある方は若くても要注意です。
【子どもから防ぐ成人病・生活習慣病】
子どもの成人病とペットボトル症候群
成人病と生活習慣病 (1347-0418)44巻1号 Page106-111(2014.01)