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《葛根湯は万能薬ではナイ!》

佐藤宣幸

佐藤宣幸

テーマ:漢方薬アラカルト

《葛根湯って万能薬?》

葛根湯
※風邪ひいたから葛根湯を下さい・・・、と来局された方。
この方、昼頃から気分が悪くなり熱感があるとか。
弁証論治してみたら「顔だけでは無く、耳まで真っ赤」、体温測定したら37.6℃。
しきりに顔の汗を拭いています。
これは・・・、もう既に「葛根湯」を飲むタイミングが過ぎています。
発汗していなくても「胸元」・「脇の下」がシットリしていても同様です。
《葛根湯は「発汗解熱作用」のある漢方薬》
★ですから既に「汗が出ている時」の服用は禁忌なのです。

《熱がある・ノドが痛い・咳がでる》

金羚感冒散
散積宝 金羚感冒散 板藍茶
金羚感冒散 板藍茶

{こんな時には葛根湯よりも金羚感冒散+板藍根エキス}

金羚感冒散
※第二類医薬品「金羚感冒散」の効能効果
かぜによるのどの痛み・口(のど)の渇き・せき・頭痛

{「金羚感冒散」に配合されている動物性生薬はコレ↓}

羚羊角
羚羊角
羚羊角 能活精

{「金羚感冒散」に配合されている植物性生薬の一つ↓}

涼解楽 金銀花
※植物性生薬=「金銀花・スイカズラ・忍冬」
金羚感冒散 羚羊角
金羚感冒散 
※これは長崎にある「シーボルト記念館」と「シーボルト先生の胸像」
★この中にシーボルト先生の処方せんが展示されていて、そのなかにナンと「金銀花」が明記されていたのです。
この時代、日本では「葛根湯」が主流で清熱解毒という事はあまり普及していませんでしたがシーボルト先生は清熱解毒作用のある生薬を運用されていたようです。

《漢方薬は病名ではなく弁証論治で方剤を決める!》

漢方薬
※発熱=葛根湯、鼻水=小青龍湯、咳=麻杏甘石湯・・、このような方剤運用はアブナイかも。
★心身に不快感を感じた時、体重・年齢・生活習慣・職種等によって臨機応変に運用するのが正しい漢方薬の運用法。
時に、漢方薬が記載された「処方せん」を見ることがありますが・・・、これは某漢方メーカーのガイドブックからの転用かなっと思う事があります。
昔、インフルエンザとかで「麻黄湯」と書かれた処方せんを持参された方がいました。
その方、発熱と車の暖房のためか既に「汗ビッショリ」。
葛根湯と同様に麻黄湯も「発汗」している時に服用するのは禁忌!
おもしろい?事にT社の麻黄湯は「インフルエンザの初期」で効能を認められていますがk社の麻黄湯の効能には「インフルエンザの初期」と明記されていませんので、保険適用となりません。
これが保健医療での漢方薬運用の闇?。

《医薬品ではない植物性生薬でも効果のエビデンスあり!》

板藍茶 衛益顆粒
板藍茶
※「板藍根」は抗ウイルス・抗菌作用のある植物性生薬として中国では普及していまし、SARS騒動の時に大活躍して、その名を世界に知らしめました。
しかし、日本では医薬品としてではなく「薬局サプリメント」として薬局内で薬剤師が対面販売しています。
医薬品認定には多大な費用が必要となり、それは価格に反映します。

{「板藍根」エキスの薬局サプリメント価格}

※120包=8.640円(税込)
※60包=5.940円(税込)
※30包=3.780円(税込)

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佐藤宣幸
専門家

佐藤宣幸(薬剤師)

有限会社 すみれ漢方施薬院薬局

薬剤師の知識の上に、臨床検査技師の知識を重ねた指導ができるのが強み。健康相談にも力を入れていて、訪れる人の多くは食生活の改善をしながら漢方薬を服用すると健康になる場合が多くあります。

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