陳皮とは
《「陰が極まる冬至」に収穫される生薬=「女貞子」》
※生薬=「女貞子」の漢方的な効能
☆補腎養肝・・・腎臓と肝臓を元気にする
☆烏髪明目・・・髪を烏(カラス)のように黒くする
☆清虚熱・・・・うつろな熱=ホテリ、ノボセを清める
《「陽が極まる夏至」に収穫される生薬=「旱蓮草」》
※生薬=「旱蓮草」の漢方的な効能
☆補腎養肝・・・腎臓と肝臓を元気にする
☆烏髪明目・・・髪を烏(カラス)のように黒くする
☆涼血止血・・・血熱を適度に清め(冷やさない)、出血を治す
《宮廷処方の伝統漢方薬=「二至丸」の効能効果》
《かの「西太后」も「二至丸」を飲んで政務を執っていたとか》
※基本的には「更年期障害」に繁用されていました。
☆手足のホテリ、口の渇き
☆手足がダルイ、力が入らない
☆不眠、夢見が多い
☆舌が赤い、割れる、苔がなく痛い
※西洋医学的には
☆糖尿病
☆不妊症(FSHが高い方)
☆自律神経失調症
☆慢性肝炎(「雲芝」と「田七人参」を併用)
《伝統宮廷処方=「二至丸」の逸話》
明代の末期、安徽の有名な医者である汪汝桂は子供の頃から、ひ弱な体質で大人になっても痩せて元気がなく病気がちでした。
しかし、とても頭が良い人で詩や歴史などに造詣が深く勉学に優れ父親に大変愛されました。
その父が重病になってしまい、亡くなる直前に「良相になることより、むしろ良医になるべき」と遺言しました。
その為、汪汝桂は医学の研究に取り組む事にしました。
時間の経過と共に彼の医療技術は上達し、知名度も高くなりました。
ところが勉学に打ち込み過ぎて過労になり40歳にもならないうちに、白髪、めまい、頭のふらつき、目がかむ、倦怠感、早老傾向などの症状がたくさん出てきました。
ある年の夏、汪汝桂は生徒たちを連れて山に生薬を採集しに行きました。
寺に宿泊したとき、百歳を超えているのにもかかわらず「耳鳴や目のかすみもなく髪も黒々として早く歩ける」という老住職に出会いました。
長寿の秘訣を聞いたらこの住職は寺の庭にある女貞という樹を指しながら、「女貞の実を蜂蜜とお酒に混ぜてから、蒸して食べると良い」と答えました。
汪汝桂は様々な調査をし女貞子の効能をよく理解しました。
そして相乗効果を狙って、もう一種類の肝腎の陰を強く補う旱蓮草を加える事にしました。
旱蓮草の汁を煮詰めて膏にして、女貞子の末を混ぜると二至丸が出来上がりました。
先ず、二至丸を2ヶ月飲んでみたところ大変効果があると感じました。
その後、更に半年以上飲み続けたところ、弱かった体質が丈夫になって、白髪、めまい、頭のふらつき、目がかすむ、倦怠感、早老傾向などの症状も改善し心身共に強くなり、意欲的になったそうです。
数年後、汪汝桂は往診のため、浙江麗水に寄って、同郷の親しい仲間である汪昂の家に立ち寄りました。
汪昂は汪汝桂のつるつるの肌や、丈夫な体を見て大変驚きました。
そして、その健康の秘訣が二至丸だと知りました。
汪昂は金持ちで、酒色に耽る事が多く運動不足もあり、肝腎陰虚が進行し、早老傾向がありました。
汪昂は汪汝桂の体が強くなった事に学び早速二至丸を飲み始めました。
そして半年後、汪昂は驚くほど健康で頑丈になりまた。
一方、汪昂は漢方医学に傾注し、日頃、是非歴史に残る大仕事をしたいという野心を抱いていました。
そこで、汪昂は汪汝桂を高賃金で招聘し、医書の編纂を始めました。
汪汝桂が4年間一生懸命頑張った結果、4部の医書が完成しました。
女貞子、旱蓮草各等量の処方で肝腎不足に治療効果が高いという実例は《医方集解》という本に汪昂の名で収録され、処方は二至丸と命名されたのです。
というお話です。
※漢方薬は構成する生薬が少ないほどシャープに効果が体感出来ます。
「二至丸」を活用したい時、日本では「女貞子」と「旱蓮草」のエキスを粒にした薬局サプリメントがありますので当薬局の薬剤師陣に御相談下さい。
※「補陰」と「補腎」は「抗老防衰」・「アンチエイジング」にも活用できます。