引き始めの風邪には麻黄湯?葛根湯?十神湯? その違いと使い分け方
漢方薬が効く頭痛とは
頭痛といっても、特徴や種類が違うことをご存知でしょうか?
その中でも、漢方が効く頭痛の種類は3種類あり「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発性頭痛」があげられます。
片頭痛とは脳内の血管の拡張が原因で起こる、ズキズキする痛みです。
緊張型頭痛とは疲労やストレスなどが原因で起こる、筋肉の緊張による脳が締め付けられるような痛みです。
群発型頭痛は、はっきりとした原因がなく目の奥に強烈な痛みを伴います。
また、漢方では頭痛の起きるメカニズムを大きく2つに分けて考えますが、1つ目が「不通即痛」といって、体にとって異物となるものが体の循環機能を阻害している状態。2つ目が「不栄則通」といって、体の血や栄養が足りず脳に十分な栄養が届いていない、つまり脳が栄養不足になっている状態。
漢方が得意とする3種類の頭痛が、さらに2つのメカニズムのどちらにあたるのかによって、処方される漢方薬も異なります。
頭痛に用いる漢方薬の種類は豊富
一言で「頭痛」といっても、一人一人の体質に合う治療を行わなければ、漢方薬の効果は発揮されません。自分がどのタイプの頭痛を生じているのかを知ることで、その方に合った漢方薬を処方することができます。
頭痛に使用される漢方の種類は非常に多く、同じタイプの頭痛であっても、全く別の漢方薬を処方するケースがほとんどです。そのため、漢方薬は的確な治療を行うことができる薬と言えるでしょう。
また、どのような頭痛であるのかに応じて生薬を細かく分けています。代表的な頭痛に伴う症状別の漢方薬を紹介します。
発熱や悪寒を伴う場合は「葛根湯」、口内の乾きやめまいを伴う場合は「五苓散」、血圧が高めで朝に症状が強い場合は「釣藤散」、胸脇苦満(胸の脇が重苦しい状態。脇に何かが詰まっている感じ)を伴う場合は「柴胡桂枝湯」、月経異常やのぼせを伴う場合は「加味逍遙散」、足の冷え・頭重感を伴う場合は「半夏白朮天麻湯」、胃腸の冷えを伴う場合は「呉茱萸湯」、疲労感や下痢を伴う場合は「桂枝人参湯」を用いることが多いですね。
時には手を抜いて、リラックスしましょう
ストレスを解消する方法として、神経伝達物質を分泌させることでリラックス効果が上がると言われています。
ドーパミン(快感を得た時に分泌される)、セロトニン(リラックスした時に分泌される)、ノルアドレナリン(ストレスを感じた時に分泌されるが、ストレスと戦う物質でもある)。この3つのバランスを取ることで、人間の体はストレスをバランスよくコントロールすることができます。
ストレスの解消は、頭痛の軽減や改善にも効果的です。普段、自分に緊張感を持って暮らしているわけですから、時には心身をゆるめて、ゆったり過ごしてみてもいいのではないでしょうか?
また、頭痛の予防方法に「腹式呼吸法」や「アロマテラピー」など普段の生活に取り入れやすい予防法もあります。リラックスの方法は人それぞれですので、自分に合う方法を見つけて、ゆったりとストレスも解消していきましょう。