更年期障害、自律神経失調、月経前症候群(PMS)には逍遙散と加味逍遙散
不眠のタイプは4種類
不眠は、「なかなか寝付けない入眠障害」「夜中に何度も起きてしまう中途覚醒」「朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒」「ぐっすり眠った気がしない熟眠障害」の4タイプに分類されます。
これらの不眠症状により、大脳や体に十分な栄養が行き渡らなくなり肥満症や高血圧症、糖尿病などの病気を引き起こしてしまう恐れや寿命・社会生活・メンタルへも影響していきます。
漢方では、不眠となる原因やストレスを徐々に取り除き、それらに対応できる体質づくりを行います。
不眠治療では人体を巡る「気」と「血」を正常に戻し、体の隅々まで栄養が循環するための体質改善に取り組んでいます。
不眠改善には、脳の休息が必要不可欠であり、ストレスや悩みを抱えていては十分な睡眠を得ることができません。ご自身の心の声を聞いていく必要があります。
質の良い眠りがとても大切
人間の睡眠には、5種類の深度があります。
1番浅い眠りは「レム睡眠」、1番深い眠りが「ノンレム睡眠」と呼ばれています。
レム睡眠とは、体はリラックス状態なのに脳だけが活動している状態を言います。
反対にノンレム睡眠は、多少の筋肉活動はあるものの脳の活動レベルは低下していて、深い眠りについている状態を言います。
質の良い眠りとは、十分に脳を休ませることができた状態を言います。脳は、休息を得なければ本来の機能を発揮することができません。また、脳の疲労を回復できる眠りがノンレム睡眠だけであることがわかっています。
では、ノンレム睡眠を促す方法にはどのようなものがあるのでしょう。夕方以降の軽い運動や入浴は効果的であると言われています。
夕方以降に行うことにより、副交感神経の働きを促し睡眠時間には適度な体温で眠ることができるため、眠気を促進させることへつながります。
心地よい眠気は、脳を休息させるためのノンレム睡眠を誘発し、質の良い眠りへと導いてくれるのです。
漢方薬で不眠症を解消しよう!
漢方では、不眠のタイプに応じて生薬を選びます。
寝つきが悪い、入眠困難な方には、酸棗仁湯(さんそうにんとう)・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)・抑肝散陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)が主に使用されています。
眠りが浅い、中途覚醒な方には、加味帰脾湯(かみきひとう)・八味地黄丸(はちみじおうがん)・加味逍遥散(かみしょうようさん)が主に使用されています。
不眠治療に使用する漢方薬ですので、長めに服用することが大切です。個人差はありますが、効果が表れる目安として服用後、約3カ月と言われています。