自己判断で漢方薬を服用するのは危険です
何が違う?保険適用薬と保険適用外薬
保険適用薬には使用にあたってはルールがあり、そのルールを守った上で保険適応が通ります。例えば予防としてや病名がハッキリとしない時には保険適応が通らないことがあるので全額自己負担となる場合もあります。あくまでも保険なので使用にはある一定のルールが必要になり保険適応で認められた薬のみが使用できます。その分価格が高くても一定の割合の負担額で安く服用ができます。
一方、保険適用外薬は保険適応というルールがないので患者さんの症状に応じてさまざまな種類を選択でき、病気にならないための予防としても服用でき、きめ細かい対応を行うことができます。しかしながら保険が使えないので高額な場合でも全額自己負担となります。
保険適用ではなし得ない種類の豊富な漢方とは
自分の症状を改善したくて服用する薬ですから、自分の都合の良いタイプのものを選ぶのが当然ですよね。
保険適応薬も保険適用外薬も、どちらも薬であることに違いはありません。ただ、両者の大きな違いとして、扱っている生薬の種類に2倍近く差があることや調合できる種類がまったく異なることが挙げられます。
保険で扱える漢方エキス剤は約148種類であり、国の決まりによって3種類以上の調合は不可とされています。その点、保険は使えませんが適用外として扱う生薬の種類は約294種類あり、調合する種類に制限はありません。
症状を体全体としてとらえる東洋医学ならではの考え方により、患者さん一人一人の既往歴・体質・生活習慣などに応じて、オリジナルの漢方を提供することができます。
もちろん、保険適応薬に効果がないということではありません。生薬を使用して製造していますので、効果には問題はありません。
しかし、製造工程上高熱処理を行うので、生薬によっては熱に弱いものや熱によって効能が薄れてしまうものもあり、天然物の煎じ薬等に比べると、どうしても生薬の成分の質が落ちてしまうことがあります。どちらにしても、患者さん本人の体にあったものを選ぶことが大切です。
病院と漢方薬局の併用がおすすめ
西洋医学は、患者さんの症状にもとづき必要な検査を行い、痛みの原因となっているものに対しピンポイントで治療する、いわゆる「対処療法」を得意としています。
患者さんの主訴に対し治療を行ってくれるのです。
そういった治療の後、また同じ病気を患わないように漢方療法で体質の改善と体調管理を行い、健康の維持、向上を目指しましょう。
このように、西洋医学と東洋医学は持ちつ持たれつの関係があります。どちらにも患者さんにとってのメリットがあり、症状や状態によってはどちらを優先するかを選択することもできます。
自分自身が健康でいるために、どのような治療と薬が合っているのか、専門医師や薬剤師と話し合ってみることが大切です。