コラム
漢方薬と薬(化学薬品)との違いと特徴、使い分け方
2015年9月11日 公開 / 2021年2月26日更新
漢方薬と化学薬品のいいところ
みなさんは熱が出てしまった時、病院へ行き風邪薬や解熱剤を処方してもらい、用法用量にもとづいて服用することで、数日で体調が回復したという経験はありませんか?
でも、熱は下がったけれど胃の不快感が出たり関節痛が出たりとか倦怠感が強くなったという事がありませんでしたか?
確かに化学薬品は効果が早いですが副作用に注意が必要です。
一般的に漢方薬は効果が穏やかでじんわり効いてくると思われていますが、例えは悪寒(ゾクゾクする)があって熱があるという時、発汗していなければ一服の葛根湯が効くという事例があります。但し、葛根湯は煎じるかエキス末を「お湯割り」で飲むことが必要です。
漢方薬でも急迫時でも対処できる処方がありますし、慢性疾患にも対処できる処方があります。
確かに、化学薬品はシャープに効きますが同時に副作用もシャープなことがあります。その時の病理病態に合わせて使い分けることが必要ではないでしょうか。
西洋薬と東洋薬の融合
即効性を求める症状「血圧を下げる」「細菌やウイルスを殺す」「高熱を下げる」など、緊急を要する症状がある場合など、検査結果の数値をもとに的確な薬を処方することができる西洋薬。
今すぐ痛みを取りたい時や、命の危機が生じる場合など緊急を要するときの対処法には西洋医学を取り入れます。
それ以外の、人間本来の力を生かして病気になりにくい体を作ったり、体質改善を行い健康な体を手に入れるという場合には東洋医学と東洋薬を用います。
これら両方のメリットを取り入れる方法で、今まで以上の治療効果を期待することができると考えられています。
現在、さまざまな医療現場で両方の得意分野を融合させるという治療法が取り入れられています。
必ずしも「西洋薬だ」「東洋薬だ」と決めつけることなく、今自分にとって何が必要なのかということを見つめ直すことで、自分に合う治療法を見つけることができるでしょう。
そのためには西洋薬に詳しい上に漢方薬にも詳しい薬剤師を活用して下さい。
西洋も東洋も目指していることは一緒です
一見、両者は正反対の医療のように感じる方もいると思いますが、西洋医学も東洋医学も「患者さんの症状を治療する・治す・緩和する」という根本的な考えは共通しています。
大昔には正反対の考え方として、ぶつかり合うこともあった両者ですが、患者の病状を治したいという考えは共通しています。
現在では、お互いの長所を共有しあって使い分けができる環境を作り上げています。それにより、患者さん自身の治療へ対する選択肢も広がり治療法方法などが幅広くなったため、、患者さんを一番に考える医療が日々展開されていることは間違いないと言えるでしょう。
私は若いときには「未病先治」と言っていましたが、今は「未病先防」と言っています。
西洋治療を受けながらも漢方薬は併用できます。
病に罹る先に治すのではなく、病に罹る先に病にならないように防ぐ平素の生活習慣、特に食生活の改善を漢方の知恵を利用しいて下さい。当薬局では食生活の改善もご指導しています。
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