子どもが社会へ発達していく道筋
『行動の大原則』
自分にとって「得」になるようなことがあれば、それを最大限に得ようとする欲が人間にあります。
損を選ぶにしても、社会規範から影響を受けた結果が前提の行動になります。
その主な行動として、
1.「利得最大の原理」
人間に限らず、地球上に存在するすべての生物が、「気持ちがいいか、不快であるか」という感覚で行動を決めてい
るといわれており、それを基本に自分にとっての利益を選ぶ考え方。(快楽原則)
2.「公平性の原理」
社会関係の中で生きていくためには、自分の利益追求だけでは不可能なので、社会的規範に従わなければなりませ
ん。
そのために必要なことが「公平さ」という基準が設けられます。
3.「返報性の原理」
一方的に得をしつづけた人は「罪悪感」を強く感じることも多くなり、最終的には相手に「怒り」も強くなってしまうといった 研究があります。
相手から何かを与えられた場合は、お返しをしなくてはならないという社会的規範が、自我に反映されているからだとい
われていますが、お返しと得にバランスが崩れると、罪悪感と心苦しさを覚える「心理的負担」が生じそのバランス感覚が
必要になります。
そのためお返しをしたいという心理が生まれるのでしょうし、これらを抜きにして人間社会の関係が成り立つことは不可能
と言えます。
4.「一貫性の原理」
一貫性のある行動をしようとする姿勢で、人間の行動を左右する重要な心理原則です。
自分を高く評価した気持ち「自己高揚欲求」がそれに連動してきやすくなります。
根本的には利得最大の原理に基づくものです。
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一貫性が保てないでいると、自分と相手の関係に不快感を感じる自己矛盾が生じやすくなりまする。→これを「認知的不
協和」と呼びます。
自己矛盾から生じる不快感を解消するための行動パターンのいくつかを上げますと、
* 行動を変える方法=行動そのものを変えることで一貫性を保とうとする。
* 認知を変える方法=一貫性のない行動を正当化しようと認知自体を変える。
* 行動を評価し直す方法=自分の行動に対する評価を変える。
5.「類似性の原理」
自分と話が合う人、同じ趣味を持つ人、考え方が似ている人等といることで、快感・安心感を抱く。
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「自分自身の肯定感」の問題とかかわる。 合わない人といると不快感を抱くリスクが大きくなる。
「バランス理論」=さまざまな動機づけを行おうとすること。
6.「社会的証明の原理」
多くの人がやっていることこそが正しい、と思ってしまう心理です。
物事の正しさを判断するためのひとつの基準となっているもので、意見に齟齬が生じてしまうと不安になるので、
「同調の心理」として、人の判断は他者から大きな影響を受けるものです。
7.「権威の原理」
権威のある人に強い影響を受けるというもの。
権威を持たせることを「権威づけ」といいます。→例えば、高級スーツ、高級車などもその一つ。
社会的な権威の影響力を「社会的勢力」としますと、以下のような影響力が考えられます。
* 賞勢力;この人に従うと、いいことがあると思わせる影響力。
* 罰勢力;従わないと、罰や損失をこうむると思わせる影響力。
* 正当勢力;社会的な立場上、従うべきであると思わせる影響力。
* 専門勢力;専門家という立場に従おうと思わせる影響力。
* 参照勢力;魅力のある人物に憧れ、真似をしたいと思わせる影響力。CMなど。
* 情報勢力;メッセージに説得力があるので従いたいと思わせる影響力。
* 魅力勢力;好意を持った人から頼まれれば従ってもいいと思わせる影響力。
利用され、無意識のうちに影響され操られていることもある。
8.「希少性の原理」
社会の中に存在する希少なものは価値が上がる、という原理を皆経験上知っています。
難しいものほど獲得したい心理が働くものです。
どうでしょうか?
自分の行動を起こさせている原動力を考えてみる一つのたたき台になるのではないでしょうか。
心理学は面白いことを考えるものです。