人間性としての自我
ライフサイクル.幼児期後半の課題
ライフサイクル(一生を通じての各年代・時期の課題、転換期)を通じて、「不安」という視点からを眺めています。 今回は、『自発性vs罪悪感』という課題です。
幼児は自律性を獲得して自分自身をコントロールできるようになり、今度は自分が行動の中心として積極的に外の世界とかかわるようになっていきます。
これが自発性・主体性といわれるものです。
この時期に初めて幼児は、家庭の外の小さな社会の中で行動することになっていきます。社会のかかわりの中での自分を意識するということです。
その意味でアイデンティティ(自分が自分であること=自己同一性)の基礎がこの時期に形成されると考えることができるといわれています。
そして自発的な行動が社会的な規範を犯すと罪悪感が生まれてくるものです。
これが青年期(思春期)になってアイデンティティが拡散する(いわゆる自分が自分でわからなくなる)という現象に陥ると、否定的アイデンティティの選択というものが行われるやすくなります。
身近な共同体から望ましいとされている役割に対して、軽蔑や憎しみを抱くようになり、反抗的で突っ張った生き方をする傾向が出てくるということです。