人間性としての自我
ライフサイクル.~その2~
ライフサイクル(一生を通じての各年代・時期の課題、転換期)を通じて、「不安」という視点からを眺めたいと思います。
今回は、『自律性vs恥・疑惑』という課題です。
幼児は、躾などの外からの力を受け入れ、自分の衝動・欲望をコントロールし枠組みとして内在化していくことなどを通して、自分の自律的な意思というものを体験し,自尊心を作っていきます。
自律とは、外からの要求と自分の中からの要求とのバランスをとれるようになること。それがうまくできないときは、自分の自尊心に対する疑惑や外の世界に対する恥の感覚が生まれてきます。
それが青年期にアイデンティティが拡散すると、自意識過剰(自己確信vs自意識過剰)の状態となるといわれています。
自意識過剰は、自分は自律的な人間であると過剰に誇張された自尊心と、現実に他人の目に映った自分の姿との間の矛盾に起因します。
はなはだしい自意識過剰により、全能で完全な自分という自己愛的な空想の中に埋没してしまうようになります。