子どもが社会へ発達していく道筋
「こころ」について
「あなたのこころを見せてください」といわれて「はいこれが私の心です」と実際に可視化させることはできません
こころは客観的に観察や操作ができる実体としては存在していません。
それでもこころを知りたいという思いは大昔から大きな関心事・問題でした。
実体として存在していないから、それを目に見える「行動」を目安に、こころのあり方を探る方法が出てきました。
行動なら客観的に可視的に捉えることができます。
私たちは、日々物事を知ったり感じたり意志したりしながら生きています。この体験は疑いのないことです。
こういう体験世界をひとくくりにして「こころ」と呼んでいます。
こころとはそうしたことの主観的な体験世界です。
人それぞれに体験されている、自分が何を考えているか他の人には知れない、きわめて個別的・主観の世界です。
しかし、考えを口にすると、他の人にも内容が伝わり、互いに共有可能な、共同的な関係世界でもあります。
こころは、体験・関係を通じてしか育たないものです。