生き方
「昔話」 ~最近の世だからこそ~
昔話は語り手である大人と聞き手である子どものお互いの心の中で物語の世界を共有します。
物語を、心のある部分をそれぞれにイメージ化しながら入っていきます。「三匹のこぶた」という昔話を例に、三匹のこぶたそれぞれが「ワラ」「木」「レンガ」いう家作りをするのを「自立」に置き換え眺めてみます。
せっかく創造的な試みをしているのに対して「狼」が破壊的な力として登場してきます。
「ワラ」「木」の家は簡単に吹き飛ばされ、作り方・強度は幼年期から少年期前半の自我を想像させます。
「レンガ」は無事で、少年期後半から青年期を想像させます。
それでも狼は侵入してきます。
結末も三通りあり、最後の一匹だけ生き残るのと、三匹生き残り狼が死ぬ、三匹も狼も生き残り、狼と仲良くなる話さえあります。
どれを好むかでも現在の自分の心の置き所・強度の一端が見えてきます。現実ばかりに追われず、他のいろんな昔話・童話にもあるいろんな深い心に触れてみるのも最近の世だからこそ意味のあることだと思います。