教育は性善説で行うべきか、性悪説で行うべきか
昨日の記事「教育は性善説で行うべきか、性悪説で行うべきか」で、
この二つの立場は人間の心の奥深い部分に存在する二つの根本的な「人間観」に由来すると書きました。
愛とは何か、エゴとは何か。
基本的に他者を信頼しようとする「性善説」。
基本的に他者を信頼せず、コントロールしようとする「性悪説」。
これは誰の心の中にもある愛とエゴに起因します。
ここでいう愛が何を指し、エゴが何を意味するのかを明確に定義したいと思います。(あくまでも説明のための便宜的な定義づけです。ですので従来からある一般的な愛やエゴの意味とは違っています。)
愛とは、人と人を結びつける力、支え合い助け合う力、共感する力、利他心、心を開く、受け入れる、希望を見る、楽観的、信じる、伸ばす力、これらの言葉を総合した心の態度や精神。
エゴとは、違いを見る、分ける、思考する、予測する、自己の安全を図る、他者をコントロールしようとする、疑う、不安、守る、悲観的、損得を考える、これらの言葉を総合した心の態度や精神。
エゴの力が人間にもたらしたもの。その明と暗。
エゴは人間なら誰でも持っていますし、生きていく上で絶対に必要なものです。
現在の科学文明もエゴのお蔭です。
エゴは思考し、予測する力です。
しかし予測し、思考するがゆえに未来に不安を覚え「取り越し苦労」をするわけです。
エゴには人間だけが持つ素晴らしいメリットとデメリットをもたらします。
エゴが生み出した最も大きなデメリットは地球環境の破壊です。
エゴは時にコントロールを失い暴走することがあります。
この世界に光と闇、昼と夜が必要なように人間にも愛とエゴの両方が必要です。
ただし、エゴの力は強力かつ誘惑的なのでそれに支配されないように気をつけなければなりません。
そういう意味ではお金とエゴはそっくりです。
ものすごい大金を持ちながらもっともっとと満足することなくお金儲けに精を出す人がいますが、それと良く似ています。
性善説は愛に起因し、性悪説はエゴに起因しています。
誰だって人と共感し合うのは喜びだし、一方人を思い通りにしたい心だってあります。
だからこの二つの葛藤は絶対になくなりません。
誰しもが愛とエゴの両方を持っているからです。
大切なのはエゴのメリットとデメリットをよく理解し、それに支配されないことです。
エゴの声に負けずに、性善説で子どもの力を引き出そう
さて教育においては、信頼と希望を待つことが不可欠です。
これは大変難しいことです。
そこでエゴの誘惑の声が囁くのです。
「そんなまどろこっしいことしてられるか!いますぐ勉強させなければ!手遅れになるぞ!さあ、脅してでも子どもにやらせなければ!」
その声に負けて「性悪説」の教育をされている親御様や先生の多いこと。
でも落ち着いて考えてください。
子どもを伸ばす力、子どもを成長させる力は愛の力です。
愛に起因する「性善説」の心が子どもの隠れた力を引き出すのです。
皆さんはエゴの不安を煽る声に負けることなく、子どもと愛の力を信頼して「性善説」で明るく楽観的に教育していってください。
親の愛とエゴについて深く考察し、エゴの子育てに陥らない方法が書かれたコラム記事「親の愛、親のエゴ。親のエゴを自覚することが大切」はこちら⇨
https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/2859158/
< リンク >
講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
https://www.kouenirai.com/profile/3820
システムブレーン|長谷川満 プロフィールページ
https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7816.htm
教育講演・人権講演のテーマや内容については
http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/
子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
http://www.hariat.co.jp/ksg/
長谷川満の見方が変わる相談室
http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/471145150.html