オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
先日の加古川市西グループ 公立幼稚園・こども園の先生対象の研修会でこんな質問が出ました。
「発達障がい傾向のある子で、みんながちゃんと座って話を聞く時でも走り回ったりして・・。自分としてはやっぱりみんな座って話を聞くときにはそうしてほしい気持ちがあるので・・。そんな時どう関わったらいいか、また自分の気持ちをどんなふうにコントロールしたらいいか。教えてください。」
別の方が「その質問に誤学習の観点からもお答えいただけるとありがたいです。」と付け加えられました。
「そうですね・・。お気持ちは大変よくわかります。みんながちゃんと座って聞いているのだからあなたも同じようにしなさい、というのは先生としては当然のことです。しかし、その子の気持ちになってみれば走り回ることで不安な気持ちが落ち着くのかもしれませんし、走り回りたい衝動を抑えきれないのかもしれません。一体どういうことで走り回るのかはわかりませんが、その子なりの理由があるのでしょう。それを頭ごなしにダメと言ってしまわずに「この子なりの理由があるのだろう」と理解しようとし、叱るのではなくその子が何を嫌がっているのか、何を不安がっているのかを考えてみる。優しく聞いてみる。
その子の今のありようを否定するのではなく、理解し受け入れていく。
普段からその子には優しく接する。いっぱい褒める。
そうしてその子との間にあたたかい良い関係を作っていく。
そのあたたかくて良い関係がその子の心を癒し、発達を促進させ、困っている行動を改善する方法なのです。
その子には今、その子のことをわかってくれる人が一人もいないかもしれません。
あなたがその子の最初の理解者になってあげてください。
「誰一人僕のことをわかってくれない」と思うのと、
「あの先生だけは僕のことを理解してくれた。褒めてくれた。」とその子が思うのとでは雲泥の差ができます。」
そのようにお答えしました。
「誤学習」という言葉があります。
これは、子どもがおもちゃ買ってもらえなかったとき、床に寝転んで足をバタバタさせて「買って~買って~」と駄々をこねたら買ってもらえたという経験をすると間違ったことを学習してしまい、その行動を繰り返すから良くない。というものですが、そこから子どもが間違った行動をしたときにはちゃんと叱らなければならないと考える人が多いのですが、僕は少し考え方が違います。
もちろん子どもが間違った行動をしたときに注意するのは当然のことですし、普通の子であればその対応で何も問題ありません。しかし相手が発達障害傾向のある子の場合、その対応だと逆効果になりかねないのです。
発達障害傾向のある子はパニックになりやすい、癇癪を起こしやすいという特徴があり、特に「叱られる」ことについてはとても敏感でパニックや癇癪を引き起こす誘因になりやすいのです。その子らが一度その状態になってしまうと注意は耳に入りません。
だから、それを避けながらいかにその困った行動を改善していくかを考える必要があります。
その子たちのすることには全て意味があります。
その意味を理解してあげてその子の理解者になることでその子は心の通い合いを体験します。
人との心の通い合いは楽しいものだ、人っていいものだ、と認識されるとその子は指示にしたがったり、ルールを守ったり、それらができて褒められたりすることに喜びを感じるようになります。
そうなれば、それらの困った行動は自然になくなっていくのです。
そのような対応が結果的に発達障害傾向から来る困りごとを改善する方法だと私は考えています。
愛はその中に「許し」を含んでいます。
それは言葉を変えれば「受容」です。
この「受容」の力は愛の力であり、それは不登校も発達障害も子どものあらゆる問題を癒す力を持っているように思います。
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