オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
先日4月28日に奈良に講演会を聞きに行ってきました。
その際、スクールカウンセラーをされている臨床心理士の竹下三隆先生とお話をする機会がありました。
竹下三隆先生は長年、少年刑務所で教官をされていた経験から、犯罪を犯してしまう少年やその家庭には共通点があると感じておられます。
犯罪を起こしてしまう少年たちには「愛されたい」願望があり、何らかの事情でその愛を得られなかったり、その気持ちを傷つけられたりした過去があるということです。
また、その家庭は親が教育熱心で「厳しいしつけ」が行なわれていることが多く、子ども時代に十分に甘えらえていないという子が多いそうです。
子ども時代に大切なこととして3つのことを挙げておられました。
1、素直に甘えられる
2、子どもらしくいられる
3、自分の気持ちを素直に言える
この3つは子どもが精神的に健康で自立した社会人になるために最も大切な事である。
甘えらえない子は他者を支配したがる傾向がある。
甘えられない子はアルコール依存やギャンブル依存等、依存症になりやすい傾向がある。
支配も依存も甘えたい欲求が歪んだものと考えられる。
子どもの時に「子どもらしく」いられることはとても重要である。
だから、子どもに他者への「優しさ」の強要や「しっかりしなさい」等は言わないほうが良い。
年齢相応の自己中心性や子どもっぽい甘えなどは、精神的な健全性を示すものでこれを尊重してあげる視点が大事。
「さみしい」「悲しい」「つらい」「嬉しい」などの言語的感情表現ができることが大切。
「ワー」とか「キャー」とか言葉以前の衝動的表現や泣くなどの非言語的感情表現も大切。
素直な感情表現ができるためには安心感が必要。
この3つの要素が揃っているのが「遊び」と「おしゃべり」である。
だから子どもはたくさん「遊び」、「おしゃべり」する事が大事。
つまり大人が無駄な時間と感じている時間こそが子どもにとっては必要で大切な時間である。
犯罪を犯す少年たちは傷つきやすい子が多い。(甘えらえれていない、ありのままの自分を愛されている実感がない)
傷つきやすいがゆえに自分の弱さを憎んでいる。
自分の弱さを憎んでいるので、他者の弱さも憎む。
他者の弱さを許せない。
それがいじめや犯罪につながる。
しつけが厳しいということは「許される」ことが少ないということ。
「許される」ことを経験していないので、他者を「許す」ことが苦手。
許せない人間が多くなり、人間関係に問題を抱えることになる。
トラブルが多くなる。それが時に犯罪に発展する。
犯罪を犯す少年の多くは厳しいしつけをされていることが多い。
犯罪を起こしやすい人は人に頼ることが苦手で、なんでも自分で解決しようとする。
「助けてほしい」が言えない。
犯罪を起こさないためには、
小さな迷惑をかけて、小さく世話になって、小さくキレることが大切。
つまり「無理しない」「人に頼る」「ためこまない」ことが精神的な健康を保つことになる。
ひいてはそれが子どもたちをいじめっ子や加害者にしないことにもつながる。
竹下先生のお話しは、奈良少年刑務所で臨床心理士として少年たちと関わられた実体験からのものなので大変勉強になりました。
竹下先生の子育てに関するお考えは2008年の京都学園大学臨床心理学セミナー「非行少年や犯罪者から学ぶ子ども時代に大切なこと」に詳しく書かれてあります。
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