中3受験生の親は「口を出さない」「見守る」修行中

長谷川満

長谷川満

 先日、僕が指導している中学3年生の男子生徒のお母さんから電話がありました。

 「先生、あの子、中3やのに全然勉強していないんです。」

  それは心配ですね・・。
  でも、今うるさく言うと逆効果ですから、
  次行った時に僕から本人に気持ちとかいろいろ聞いてみます。

 「わかりました。宜しくお願いします。」


 ということでこの間、指導に行った時にその子にいろいろ聞いてみました。


 お母さんが君が勉強してないって心配して電話かけてこられたけど、どんな感じなん?

 「そうですか・・。僕なりにやっているつもりなんですけど・・」

 そうか。1日どのくらいやっているの?

 「2時間か、2時間半か、それくらいです。」

 結構やってるやん。でも、お母さんとしたらそのくらいでは心配なんかもな。

 「・・・・」

 勉強って何時から始めてる?

 「8時半くらいからです。」

 そうか。
 まあ、志望校のこと考えたら、
 もうちょっと頑張った方がいいかもしれへんなあ・・。
 あと、夕方に1時間だけ勉強することは出来ひんか?

 「出来ます。」

 そうか。
 じゃあ、夕方に、8時半までに、あと1時間するということで。
 お母さんにそう言うけどいいか?

 「はい。いいです。」


 そうして帰るときにお母さんにそのように伝えました。
 そしてこう言いました。

  お母さん。
  今、こうして夕方あと1時間やるって本人は言うてますけど、
  やっぱり出来ない日も出てくると思うんですね。
  ダイエットと一緒でね。
  一旦決めても守れないことって多々あると思うんです。
  その時は大目に見てやってください。
  「あの時、先生と約束したやろ!」と本人を責めないであげてほしいんです。
  それを言われてしまうと反発するしかなくなってしまいますから。
  たとえ勉強ができていない時があっても、
  何も言わずにこの子を信じて、この子に任せてやってほしいんです。
 
  (生徒の方を向いて)
   
  〇〇くん、これから夕方1時間やるのが君の修行やで。
  しっかり頑張るんやで。

  (お母さんの方を向いて)
  
  お母さん、お母さんはこれから口出さないのがお母さんの修行です。
  子育ていうのは親の修行です。


  お母さん「見守る修行ですね。」


  そうです。見守る修行です。
  じゃあ、〇〇くんもお母さんも修行頑張ってください。


 
 そう言って帰ってきました。

 生徒本人もお母さんも嬉しそうな安心されたような感じでした。
 

 中3やのに全然勉強しないんですってお悩みは本当によく聞きます。
 中には本当に全然勉強していない子もいて、そりゃあ心配だし、腹も立つわと、お母さんのお気持ちもよ~くわかります。

 だから、修行なんですね。
 修行というのは自分の心を鍛えるというか、成長させるためにするものです。

 中3の子を持つと、そりゃあ親は心配です。
 心配からいっぱい口出ししてしまうのが普通です。
 でも、そこをあえて口を出さない。
 口を出さないほうが、うるさく言うより100倍難しいし、しんどいことです。

 黙って見守る。
 信じて任す。

 親にとってこれほど難しく、しんどいことはありません。

 余計なことを言わない分、子どもに悪影響を与えないで済みます。
 愛が深いから、黙っていられるんですね。
 今、自分が子どもに言うことはすべてマイナスにしかならないとわかっているから
 あえて口を出さない。
 今、親の自分にできることは、せめてマイナスだけは与えないことだけだから。

 口を出してしまうのは親である自分の不安、自分の気持ちを優先した結果です。
 口を出さないのは自分の不安に負けることなく、その不安をしっかりと引き受けているから。
 今どんな姿を現していようと、子どもの素晴らしさを信じているから。

 受験生の親になるということは、心の修行をさせていただいていると考える。

 「口を出さない」「見守る」「任せる」

 これは「あなたは素晴らしい」「あなたは大丈夫」「あなたを信じている」という最も強力なメッセージであり、エールです。
 そして無言であるがゆえに最も深い愛情表現でもあります。


 
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 2017年12月1日で家庭教師システム学院は30周年を迎えることができました。
 こうして30年間やってこれましたのは、生徒達やそのご父兄、家庭教師の先生方のおかげです。
 特に「子どものありのままを受け入れ、信頼関係を築くことによって前向きな意欲や能力を引き出していく」指導をしていただいている先生方には本当に感謝しております。
 子どもが健全に成長するためには「信頼出来る大人との関係」が必要です。
 子どもは「大人との信頼し合える関係」を通じて、主体的、意欲的に取り組むことを学びます。
 私たちはこれからもその「信頼し合える関係」を生徒たちとの間に築くことで、生徒一人ひとりの真の学力向上を目指していきます。
 それは学力向上だけでなく、不登校や発達障害の子どもたちを援助する力にもなると考えています。
 これからも「ドラえもん」のように、一人ひとりの子どもに寄り添い、学習のお手伝いをしていきます。
 家庭教師という素晴らしい仕事に感謝します。
 これからもよろしくお願いいたします。

                    2017年12月2日

 家庭教師システム学院 代表 長谷川満


 *2017年12月29日に入会される生徒様につきましては入会金は半額の10800円とさせていただきます。

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