6年生(上)の教科書『風切るつばさ』より 〜不登校について考える〜
不登校の原因は様々なものが考えられます。
最も多いのが「いじめ」。
先生が原因で行けなくなる子も、学力不振が原因の場合もあります。
しかし、いったんは学校に行けなくなったとしても、家庭での親子関係、家族関係が良好な場合、意外と長引かずに再び元気に学校に通えるようになるケースが多いように思います。
問題は1年以上長引くケースです。
そういった場合は親子関係、家族関係に問題がある場合が少なくありません。
たとえば同居していて嫁姑の確執があるとか、夫婦関係が悪いとか、こういった問題がある場合、子どもは安心感を持つことが出来ません。家庭内の人間関係が危ういと自分の後ろがしっかり守られている感じがしない。背後が心配になっているうちは前に出られるものではありません。
ですから、もし不登校が1年以上長引いているのなら、子どもをなんとかしようとするのではなく、一度家庭のこと、夫婦のこと、自分のことを振り返って見つめ直す必要があります。
まずは夫婦関係。
ちゃんと信頼し合っていますか。
もし同居していれば嫁姑の関係はどうですか。
我慢ばかりしていませんか。
子どもが不登校になってくれたから夫婦の問題にも気づけた、嫁姑の関係も見直せた。
そういった意味では、不登校は子どもが身を以て親に教えてくれているとも考えられます。
一方こういった問題に直面することは本当に大変なことでもあります。
信頼し合えていない夫婦関係に気づいたからといって、すぐに信頼し合える夫婦になれるわけではありません。今までは見ないようにしてきたもの、避けてきたものに真っ正面から向き合うことは勇気がいることです。夫婦関係を見直すということは非常にリスクを伴う難事業です。嫁姑問題も然り。自分の生き方を見直すのも然り。
だからこそ、見ないようにしてきたのです。
これは地球環境問題とよく似ています。
地球環境にとって二酸化炭素を今までのように多量に排出し続けるのはよくない。だからといって二酸化炭素排出を伴う産業の発展を止めることもできない。結果、まだ大丈夫だろう、仕方ないじゃないかと言っている間に地球環境はどんどん深刻なダメージを受け続け、ついに温暖化の影響が出始めた。
「環境問題」はもう待ったなしです。
それと同じく、もう親子関係、家族関係も待ったなし。これ以上持続するのは無理。
そんな時に子どもが不登校になったりするのです。
環境問題とは結局のところ、人間がどのようにして自然(地球環境)とつき合っていくか、人間が何に幸せを見出すかという問題に行き着きます。
子どもの不登校も実のところ、親である自分は子どもとどうつき合っていくのか、夫や妻や姑とどうつき合っていくのか、自分は何を価値としてきたのか、何を幸せとしてきたのか、それが問われているのです。
どちらの問題も問われているのは自然や子どもの方ではなく、人間であり親の方なのです。
そしてその自覚こそが最も大切です。
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最後に明るい話を一つ。
環境問題を乗り越えた先にはきっと新しい人間の生き方、社会のあり方、新しい幸せの価値観が生まれると僕は考えています。それは今までのものより更に進歩したものになるでしょう。新しい社会はより個人の可能性を引き出し、多くの人たちが協力し合って幸せに生きていけるものになるでしょう。
それと同じように不登校を乗り越えた先には、新しい親子関係、新しい家族関係、新しい自分、新しい幸せの価値観が生まれることでしょう。それは今までのものより、より自由で、より幸福で、より自分の可能性を開いてくれるものになることでしょう。
子どもが不登校になってくれたお蔭でより幸せになれた、より自由により自分らしく生きられるようになった。
そう考えると不登校は新しい関係、新しい自分が生まれる「産みの苦しみ」なのです。