オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
息子へ
これから社会人として仕事をする訳だが、お父さんも約30年間、社会人として働いてきた。お父さんの社会経験は、お父さん独自のもので、そのまま君の仕事に役立つものではないと思う。だから、お父さんはそんなふうに仕事をしてきたんだと参考にする程度に読んでほしい。
仕事をする上で一番大切なのは「自分の仕事を愛する」ということだと思う。
お父さんは家庭教師をしてお金を頂いているけれど、実はお金を払ってでも、生徒たちに勉強を教えたいくらい家庭教師の仕事が好きだ。だから、生徒たちの前では、きっと生き生きして見えるだろうし、実際、楽しく仕事をさせてもらっている。人間、好きなものには努力や工夫を惜しまないもので、しかも、それがちっとも苦しくない。苦しいどころか楽しいくらいだ。だから、自分の仕事を好きになることはとても大切だ。
お父さんはまた、講演の仕事もしている。講演については好きを通り越して「愛している」。自分の人生を講演に捧げても悔いはないくらいだ。講演を愛しているから、素晴らしい講演ができるように、寝ても覚めても講演で話す内容を考えている。「もっと良くなるはずだ。もっと・・」と考えるあまり苦しくなることもある。そして、その苦しさを経験しなければ味わえない深い喜びがある。
そしてこの二つともが大切だ。
一つは「好きだからこそ、努力や工夫が苦にならない」心であり、もう一つは、「愛しているからこそ、努力せずにはいられなくて、それは楽しさだけではなくて苦しさを伴う」ということだ。そして苦しさを通り抜けたところにこそ深い喜びもあるのだということだ。
そういった意味では、仕事は子育てと似ているかもしれない。
わが子がかわいいから、その世話が苦にならない。むしろ世話することが喜びであったりする。また子どもを愛するからこそ、悩んだり苦しんだりもする・・。そして、そんな苦労があるからこそ子育ては素晴らしいといえる・・。なぜなら、その苦労を越えたところにこそ、成長があり喜びがあるのだから。
また、いっぱい仕事の話をしよう。
また、いっぱい夢の話をしよう。
また、いっぱい酒の話をしよう。
今度会える日を楽しみにしています。
それまで身体に気をつけてがんばってください。
心から応援しています。
父より
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