岐阜県多治見市立滝呂小学校での講演会「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方」
「求心(ぐしん)やむ処(ところ)即(すなわ)ち無事(ぶじ)」
これは禅の言葉で、
「求める心が止めば、そこにこそ安らかな境地がある」
という意味です。
子どもに「こうあってほしい」と求めるところに子育ての悩み苦しみの元があるように思います。
「こうあれ」と求められる子どもの側からすれば、それはとても息苦しく、しんどいことでありますし、
「こうあってほしい」と求める親にとっても、自分の思い通りにならないことで不満を溜め込む原因ともなります。
子どもに求めることを止め、そのままの子どもを愛するならば、そこに温かい親子のふれあいが生まれ、家庭の幸せが生まれるのだと思います。
また、禅の言葉には、
「無事是貴人(ぶじ これ きにん)。ただ造作することなかれ。ただ平常なれ。」
というのがあります。
ただ健康で、ありのままにいられることがどれだけ幸せか、それを知り、それに感謝し、そこにとどまれる人こそ、貴い人といえる。
何もはからうことなく、そのままであれ。逆らうことなく、あるがままに自然に、そのままをありがたく受け入れていきなさい。
という意味です。
子どもが健康で、ありのままで、元気でいてくれるなら、本当は他に何も望むことはないのかもしれません。
子どもが生まれたとき、「元気だったらそれでいい」という気持ちだったはず。
もともと私たちは幸せなのであって、自分から求める心を起こしさえしなければ、ず~っと幸せなままなのだと思います。
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