子どもが悪いことをした時 〜親の真価が問われる時〜

長谷川満

長谷川満


 これは随分前の話ですが、僕の教えていた高校生の男の子がある不良行為で、謹慎処分(停学)になった時のことなんですが、その生徒は毎日、様子を見に来られる高校の先生の優しい言葉が身にしみた、と僕に話してくれました。

 先生は「今回こういうことで信頼は失ったけれど、また一から真面目にがんばれば、失った信頼も取り戻せるんちゃうか。」とおっしゃったそうです。
 特に変わったことは言ってられませんが、「退学になるかも?」と不安だった彼には、すごく優しく胸に響いたそうです。

 「今度のことで何か感じたことあったか?」と僕が尋ねた時、
 「今まで物事を軽く考えていた。これからはもっと考えて行動するようにする。」としっかりと答えていました。
 その後、本当に真面目になり、勉強もがんばって、志望大学にも合格しました。かえってそのことがあってよかったぐらいでした。

 子どもが問題を起こした時、親や教師は真価を問われます。
 全身全霊で怒ったり、責めずに優しい言葉をかけたり、苦しみを共にしたり・・、その対応は、人により時により様々でしょう。
 そこに愛があるなら、どんなに怒ろうと、逆に何も言わないとしても、子どもは善くなっていくような気がします。
 そういったギリギリの場面でしか表せない愛があって、それに触れることができた子どもは、そのことをきっかけにして善くなっていくのだと思います。




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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

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