「どうすれば将来この子は幸せに暮らしていけるか」という問い

長谷川満

長谷川満


 親であれば誰でも子どもの将来が幸せなものであって欲しいと願うものです。
 これは親の自然な感情であり、ここには一つも親のエゴや価値観の押しつけといったものはありません。純粋に子どもの幸せを思う親心があるばかりです。

 しかし
 「どうすれば将来この子は幸せに暮らしていけるか」
 と自問し出すと、そこに親のエゴや価値観が入り込んできます。
 ある人は学歴が必要だと考えるでしょう。
 またある人はくじけない強い心が必要だと考えるでしょう。
 みんなと協調していける社会性こそ重要だと考える人もいるでしょう。
 これらはみな親である自分の考えを元にしたものでしかありません。

 その子が大きくなって何に幸せを感じるようになるかは親にもわかりません。
 ならば、親が勝手に『これが幸せになるためには必要なのだ』と
 学歴やら、強い心やら、社会性やらを無理に身につけさせるようなことは
 避けた方がいいように思うのです。

 頭がいいと限ったわけではないし、勉強はあまり好きではないかもしれません。
 強い心は持っていなくても、優しい心や豊かな感受性を持っているかもしれません。
 引っ込み思案だけれど、絵や小説の才能があるかもしれません。
 その子が将来どんなふうになるかわからない以上、余計なことをしてその子本来の天分(個性)を潰すようなことは慎まなければなりません。

 「どうすれば将来この子は幸せに暮らしていけるか」

 それは「わからない」というのが本当のところです。
 わからない以上、自分の勝手な考えであれこれするよりも
 「今はわからなくても、きっとこの子は自分の好きなことや得意なことを生かして、自分も人も幸せにしていってくれるだろう」と信じて、ただ愛情を持って育てていくのがいいように思うのですが、みなさんはどのようにお考えになるでしょうか?


 
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

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