オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
今、私たちの社会、とりわけ職場環境において、私たちは効率性やスピード、目に見える成果ばかりを求められています。その効率性重視、成果重視の考え方が、本来最も人間らしい営みである子育てや教育にも広がってきているように思います。
子どもたちが親や教師から求められるのは、「~が出来るようになった」「~点上がった」という成果であり、より良い成果を出すことが教育の目的のようになっています。
子育てや教育の意義は、ただ自立した大人に育て上げることではなくて、親も子も共に泣いたり笑ったりしながら、二度とない子育て期間をゆっくりと味わい、楽しみ、幸せに過ごすこと。そして、それらを通じて親も子も共に成長することの中にこそあります。
成果を目的とするのではなく、過程を楽しむ子育て。それが「スロー子育て」です。
< スロー子育ての考え方 >
1、見守る、合わす、待つ
育つ主人公は子どもです。親は子どもが健やかに育ちゆくのを支え、見守る存在です。子どもを植物にたとえるなら、親は「土」です。子どもの心の根がしっかり張れるように、やわらかくあたたかい「土」になりましょう。直接的に成長・向上を働きかけるのではなく、環境を整えることによって間接的に成長を促すようにします。
子どもの個性、発達に合わせてしつけや教育を行います。
子どもの自己成長力を信頼する子育て。それは「信じて待つ」教育です。
2、ありのまま、自然体
いい親になろうとしない。いい子に育てようとしない。
「無理しない」「フリしない」「気にしない」を心がける。
「ま、いっかー」が合い言葉。
欠点は直すのではなく許し合う。
相手のペースを尊重する、急かさない。
「遊びたい」「休みたい」という自然な心を大切にする。
子どもは思い通りにならないものとあきらめる。
がんばらない子育て。
3、多くを望まない、求めない
子どもに多くを期待すると、塾や習い事に忙しくなるだけでなく、子どもを叱ることも増えてしまいます。「元気だったらそれでいい」と子どもに対する欲を減らせば、もっとゆったりと子どもに接することが出来ます。「少欲」は子どもも親も楽にするキーワードです。「知足常楽」という言葉があります。足ることを知れば常に幸せでいられる、という意味です。足ることを知れば、子育ても楽しめます。子どもに求めない子育てとは、子どもに感謝する子育てです。感謝されて育てられる子どもは、その子自身が幸せであるだけでなく、周りの人も幸せにしていきます。
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