勉強は強制されると嫌いになる

長谷川満

長谷川満


 子どもに勉強を強制することは慎まなければなりません。

 なぜなら、何事にせよ、自分の意思に反して、強制され無理やりさせられると嫌いになってしまうからです。

 強制すればするほど、勉強について叱れば叱るほど、子どもは勉強が嫌いになっていきます。それだけでなく反抗的になり、親子関係も悪くなってしまいがちに・・。
 そうなってしまうと、子どもは勉強するフリをするようになり、親がこんなに塾に行かせたりしているのに、どうして成績が上がらないの?という事態になります。

 では、どうすればいいのか?

 自分自身の子育てを振り返って見ると・・、
 勉強は言われてするものでもなければ、言われて出来るものでもない。
 本人にやる気がなければ、周りがいくらうるさく言っても、それは勉強を嫌いにさせるばかりだ、と思っていましたので、管理・強制はしませんでした。
 (皆さんが子どもだった時もそうだったでしょう?自分がしようと思わなければしなかったのでは?)

 自分の子どもの時を思い返しても、自分で「やろう」と思った時は勉強したし、「やろう」と思わなければ、誰に何を言われても勉強しませんでした。むしろ言われれば言われるほど余計に嫌になりました。あまのじゃくで、言われることの反対のことばかりをしていました。その遺伝子を受け継いでいる子どもたちですから、「勉強しなさい」なんて言えば逆効果なのは明らかです。「勉強しなさい」と言うのはマイナスだと本気で思っていましたから、言いませんでした。
 
 子どもに勉強を強制したばっかりに、親子関係が悪くなったのでは何にもなりません。親は自分を強制・管理するばかりで、ちっとも自分の気持ちなんか理解しようとしてくれない、と子どもが感じるようなら、全く子どもの為にはなっていないのではないでしょうか。
 逆に、お父さんお母さんは僕の気持ちやペースを大切にしてくれた、勉強を押し付けることはなかった、いつも私の気持ちや希望を最優先にしてくれた、と子どもが思えるなら、困った時でも色んなことを相談しやすいかな、なんて思います。

 子どもの気持ちや自由を尊重しながら学習を支援する。
 時には支援を提案する。でも、押し付けはしない。
 それには、親自身が、子どもの気持ちや自由を尊重できるだけの精神的余裕やそれを認められる心の広さが必要です。
 
 結局、子どもの問題というものは、いつも自分(親)のあり方の問題に戻ってきます。  

                       (ブログ「長谷川満の親学講座」より)
 

 家庭教師として多くの生徒たちを指導するうちに、子どもを管理・強制することはできないし、そんなことは逆効果になるだけだということを実感しました。何を言おうが、何をしようが、子どもを思い通りに変えることはできないし、子どもを大人の思ういい子にしようなんてことは大人の傲慢なのではないかと考えるようになりました。それは、教育の敗北ではなくて、人間の自由の崇高さを表しているのだと思います。

 そのままの子どもを認め、尊重し、「君は素晴らしいよ」「君はどんどん伸びるよ」とプラスの関わりをしていれば、子どもは自然に善くなっていくことを経験的に知りました。子どもの善さを引き出すためには、教育にあたるものがそれを見出し、認めて誉めていく。そうするとそれがどんどん引き出されてきます。教育とは本来、その子の中にあるものを引き出すことであって、大人が必要だと思うものを詰め込むものではないのだと思います。

 子どもをよくしようとして色々と注意したり、時には強制・管理することは、現状の子どもを否定することでもあるのです。「今の君では不十分だ」と。否定されたらヤル気は起きません。

 君はそのままで素晴らしいよ、と現状を肯定されると、嬉しいし、安心するし、かえってヤル気も出ます。よし、もっとがんばろうって。
 
 そういうプラスの関わりこそが子どもを伸ばす、と僕は考えています。


 

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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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