いらないことをしない 〜『助長』の由来より〜

長谷川満

長谷川満

 『助長』という言葉があります。

 「好ましくない傾向を助長するようなことはやめてもらいたい。」
 のように使うのですが、これはもともと中国の孟子の言葉から来たもので、本来は「助けて長ぜしむことなかれ」と、それを伸ばしてやろうといらない手助けはしてはいけないとの意味でした。

 それは、孟子がどうすれば天地の理にかなった生き方、生き生きと自分も伸ばし人も伸ばし、自分も人も幸せにするような生き方ができるのですかと問われた時に語ったたとえ話から来ています。


 昔、宋の国に苗がなかなか伸びないのを心配した農夫が、ご丁寧にも一本一本の苗を引っ張って伸ばして回った。家に帰った農夫は家族に「今日、苗が早く伸びるようにと一本一本引っ張って伸ばしてやった」と言った。それを聞いた息子は驚いて苗を見に行くと、引っ張られたせいで根が切れてすべての苗が枯れてしまっていた。


 だから、自分の小さな考えでいらないことをすることは『天地の理』から離れてしまうことになるので、いらないことはしない方がいいと戒めた言葉なのです。


 子育てもこれと同じで、親の思いだけで「いらないこと」をして、かえって成長の邪魔をしている時があります。
 「いらないこと」はこんな子に育てたい、あんな子に育ってほしいという親の思いや心配から生まれます。いい子にしようという親の思いが、子どもを苦しめ、子どもが伸びるのを邪魔しているということはよくあることです。

  この子はすでに素晴らしい、とその子の善さを信じて待つ、その子の善さを見てほめて待つ、そうすれば、必ずその子の善さが表れてきます。
 それが『天地の理』にかなった子育てなのだと思います。

 


 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/

 不登校でお悩みなら
 http://www.hariat.co.jp/ksg/futoukou.htm

 親も子も幸せに成長していくヒントがいっぱい!
 ブログ「長谷川満の親学講座」
 http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/

 気づきがいっぱい!子育てコラム「あなたのままで100点満点」
 http://www.koushinococoro.com/magazine/kyouiku/hasegawa_100/

 感動!心が楽になる!子育て講演については
 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/service2/


リンクをコピーしました

Mybestpro Members

長谷川満
専門家

長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

長谷川満プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼