心の成長 その6(青年期前期)
この児童期の発達課題は「社会順応性の獲得」です。
社会順応性とは、社会のルールを守り、道徳に従い行動する性質のことです。それを身につけることが児童期の大きな課題です。
小学校に上がった子どもは、周りから認められたい、誉められたい、役に立ちたい(喜ばれたい)といった欲求が強くなります。
これらの欲求を十分に満たしてあげることが、社会順応性を身につける上でとても大切です。
認められることを通して、他者を認めることを学び、誉められることによって、さらに誉められるように努力し、人の役に立つことで、その喜びを知るからです。
児童期の子どもは、優等生に憧れる気持ちが強く、不良に憧れる思春期とは対称的です。そして、その二つともが成長する上で自然なことです。
また、この時期に美しい自然や芸術、歴史上の偉大な人物にふれ、世界や人間の素晴らしさを体感できた子どもは幸せです。それが人生を肯定する力、人間を肯定する力となって、その子の人生を支えてくれるからです。
キーワードである「美」をたくさん経験できるよう、自然の中や、美術館、歴史ある建造物を一緒に見にいくのもいいですし、歴史上の偉大な人物について話してあげるのもいいでしょう。この時期の子どもは偉大な人物の話が好きです。それは「尊敬」したい気持ち、何かに憧れる気持ちが芽生えてきているからです。
児童期の子どもは、親や教師を尊敬したがっています。多少、欠点があろうと子どもにとって自分の親は素敵な人、素晴らしい人だと思いたいのです。
ですから、お父さんはお母さんの良い所を、お母さんはお父さんの良い所を子どもたちに伝えることは、子どもたちにとって喜びであると共に大切なことです。
ここまでを振り返ってみると、「乳児期」「幼児期」「児童期」すべての時期において、子どもの方から必要な動きが自然に起きてくるので、それにのっかておれば自然に理想的な子育てができます。
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