親から子どもへの手紙

長谷川満

長谷川満


 著書『五体不満足』で有名な乙武さんが、小学校の先生をされていた頃、親御さんたちは子どもたちのことをこんなに深く愛されているのに、どうもその愛がうまく伝わっていないのではないか、と感じておられたようです。そこで、乙武さんが親御さんたちに提案されて、親から子どもたちに手紙を書いてもらうことにしました。その手紙を読んだ子どもたちは「自分はこんなに大切にされていたんだ・・」と号泣したそうです。

 親は子どものことを愛しているし、大切にも思っている・・、でも、忙しいとついイライラしてきつく叱ってしまう、自分の気持ちをぶつけてしまう、そんな繰り返しの中で、子どもたちは「お母さんは本当に私のことが好きなのかな、僕のことを大切に思っているのかな・・」と不安に思うことも。でも、忙しいとそんな子どもの気持ちにまで気が回りません。いつも通り大きな声で怒鳴ってしまったり・・。

 忙しいと、ついそうなってしまいますよね。
 だったら、もう少し忙しくないように・・
 そうできればいいのですが、できない人だってたくさんいます。

 僕は、イライラしてきつく叱ってしまうことも、自分の気持ちをぶつけてしまうことも、そりゃあ、しないですむのならそれの方がいいけど、現実に子どもを育ててるとそんなわけにもいかないように思います。というか、それが普通じゃないでしょうか。
 ただ、その分子どもたちには意識して愛情を伝えてあげてほしいと思います。
 寝る前に「だあいすき!」といって抱きしめたり、 
 言葉とスキンシップでいっぱい愛情を伝えてあげるようにしていけば、多少きつく叱ることがあっても子どもは親の愛を疑うようなことにはならないように思います。

 「自分はそのままで愛されている」
 子どもがそれを確信できるように、普段から言葉で、まなざしで、笑顔で、その手で、その肌で伝えるように心がけていれば、少々怒ったって大丈夫なように思います。僕自身、母からはよく鬼のような形相で叱られもしましたし、つねられもしました。しょっちゅう怒鳴られてもいました。でも、やさしくしてもらうことも多っかたので、愛されていることを疑うことはなかったです。

 マイナスの関わりをなくそうとするのではなく、プラスの関わりを増やそうとしていけばいいんじゃないかって思います。


 
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長谷川満(家庭教師)

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