オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
無為とは、今から2500年前の老子の言葉です。
「道徳」という言葉も老子の言葉です。老子の教えには道教と徳教があり、その二つを合わせて「道徳」と言います。タオ(道)思想の元祖です。
そしてタオ思想の中核をなすのがこの「無為」なのです。
無為とは、はからわず自然に任すという意味です。無為の反対は「人為」です。人為とは目的のためにはからうことです。
たとえば幼児が遊ぶ姿は無為です。
幼児は遊びたいから遊んでいるだけで、遊びを通して知恵をつけようとか体力をつけようとかそんなことは考えていません。つまり、何かの狙いや目的があって遊んでいるわけではないのです。
一方、大人は子どもに「こうなってほしい、ああなってほしい」とはからい心を起こして、色々なことを子どもに身につけさせようとしますが、それがかえって自分も子どもも苦しめる原因になったりします。
ある所に一人の本好きな男の子がいました。その子はひまがあれば本を読んでいました。本を読むことで、ボキャブラリーも増え、読解力も自然に身についていきました。そして国語の成績はもちろん、他の科目の成績も伸びていきました。
それを見ていたその子の友達のお母さんが、自分の子の成績も上げようと、自分の子に無理矢理本を読ませました。その上、作文力もつけてやろうと、読んだ本の感想文を書くことも強制しました。
その結果、その子は本が大嫌いになったばかりか、作文も勉強も大嫌いになってしまいました。
実はこれに似たことを僕は小学校5年生の時に経験しています。
僕は本が好きで、しょっちゅう本を読んでいたのですが、小学校5年生の時に通っていた小学校で子どもたちに本を読む習慣をつけさせ、国語力をつけようということになり、毎月1冊必ず本を読んで感想文を書いて提出しなければならなくなりました。そうなると、それまで月に5冊も6冊も読んでいたのに、それからは月に1冊読むのさえ苦痛になり、本を読むのが嫌いになってしまいました。
無為の子育てとは、はからい心を起こさず、自然に任せて育てていきましょう、という提案なのです。
それが親にとっても子にとっても一番楽で、一番幸せに暮らせるコツだし、子どもが本来持っている能力や才能、意志力や道徳性が一番よく伸びる教育法ですよ、ということなのです。
でも、放ったらかすわけではありません。3つの「あ」(あいじょう・あんしん・ありのまま)に表されるように、子どもが親の愛情が十分に感じられるように関わることも大切だし、子どもに安心感を与えることも大切、ありのままの個性を尊重することも大切です。でも、それらは子どもへの愛情があればそれほど難しいことではありません。
「はからい心」や「子どもに求める心」はエゴの心なのだと自覚すること。そして、そういった心ではなく、3つの「あ」で子どもと関わっていこうとすること。
それが無為の子育てです。
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