詩集「無為 〜そのままでよかったんだ〜」ネット販売一時中止のお知らせ
「 二人の船客 」
ある船に二人の客が乗っていました。
一人はせっかちですぐにイライラする人。
もう一人はおだやかな性格の人。
その船がある港で悪天候のために足止めをくらってしまいました。
せっかちな客はイライラ、カリカリ。
不満や心配で、ついに顔つきまで疲れたやつれたものになってしまいました。
もう一人のおだやかな客は「天気のことは仕方ない」と天候が治まるのを心安らかに待ちました。
そのせいか、ご飯もおいしく食べられ、夜もよく眠れました。
おかげで顔つきも明るくおだやかなままでした。
やがて船は何日か遅れで目的の港に着きました。
せっかちな客もおだやかな客も目的地に着くのは結局、同じでした。
せっかちな思いでイライラ、カリカリしてみても何の利益もありません。
それはただ自分を苦しめることにしかならないものです。
何事も自分の力が及ばないことに関しては、お天道様にお任せお預けするのが最も賢明であるようです。
(平成18年度 兵庫県公立高校入試、国語の古文の問題より)
子育てもこれと似てはいないでしょうか。子どもも天気と一緒で親の思い通りにはなりません。だったら、イライラ、カリカリするよりも、「ま、いっかー。」とゆっくり構える方がうまくいくような気がします。
お天道様にお任せする、そういう心持ちで子どもと接していけば心おだやかに暮らせる分、表情も明るくおだやかでいられるようです。
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