オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
僕は家庭教師ですが、生徒たちに勉強するように言うことはほとんどありません。
宿題は出すのですが、それも量については生徒本人と相談の上ですし、たとえ宿題が出来ていなくても叱るということは控えています。
「次はしっかりやってこよう。」でお終いです。
これは、昔からそうであったわけではなく、若い頃はずいぶん生徒たちに勉強するように話しもしましたし、宿題が出来ていなければ厳しく叱っていました。
指導中、生徒にヤル気が見られず思うように勉強が進まない時には、「ここまでやらなければ帰らない」と指導時間を越えても、指導していました。
自分では熱心な先生のつもりだったのでしょうが、生徒にとっては、ありがた迷惑だったと思います。親御さんにとっては、有り難かったのか、先生が長いこといるとゆっくり出来ない、と迷惑だったのか定かではありませんが・・。
とにかく、自分なりに「子どもにヤル気を出さそう。」「テストの点数を上げよう。」と熱心に指導してきたわけですが、
結論としては、
「子どもには子どもの考えや思いがあり、それはこちらが強制して直せるものではない。こちらがいくら勉強させたくても、点数を上げるようにもっていこうとしても、生徒本人の自発性がなければ無理なんだ」ということでした。
自分なりに、本当に熱心に「ヤル気を出さそう」「点数を上げよう」と精一杯、努力したからこそ、そのように子どもを変えようとするのは、無駄骨だし、子どもの力にならないとはっきり言えます。
子どもを勉強する子に変えようとするのではなく、「君はすっごい能力あるし、見どころあるし、君は素晴らしいで。絶対、点数上がるわ。がんばろう。」とまず、その子の良さを認めた上で、「すごいな。これがわかるか。大したもんや。」とほめていく。
たとえ、点数が取れなくても責めない。叱らない。
君には力がある、と励まし続ける。
勉強しなくても責めない。叱らない。
ヤル気が出るのを待つ。
僕は、ヤル気になった生徒によくこういいます。
「えらいなあ。先生が何にも言わないのに勉強しているんや。それがほんまもんのヤル気や。君のヤル気はほんまもんや。」
事実、自分でヤル気になった場合は続くし、強いです。
それが、本当に「力がついた」「ヤル気になった」ということだと僕は考えています。
教師が積極的に直接に働きかけて子どもをヤル気にさせるなんてことは出来ません。
大切なのは、ヤル気が出るような雰囲気というか、空気。それはリラックスしていて、楽しい雰囲気。そういう環境をつくる。
その上で、子どもに「君は出来る。大丈夫。君はすごい。」と子どもの自己イメージを高めるような言葉がけをする。
そして信じて待つ。
それが今の僕の指導スタイルです。
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