「まだ勉強するの?」と思っていました。
毎週木曜日、掃除に伺っているクリニックがあります。
そこで時々お会いする方がいます。
お会いすると、いつも決まって、
「いつもありがとうございます」
と声をかけてくださいます。
今日、段ボールに入ったまま置かれていたドリンクを、所定の棚に並べていました。
空になった段ボールを畳んでいると、それに気づいて、
「いつもそんなことまでやっていただいて、ありがとうございます」
と。
この方、本当によく「ありがとう」とおっしゃるんです。
特別なことをしているわけではありません。
私は仕事として掃除に伺っています。
だから、「ありがとう」と言ってもらわなくても、それでいい。
それでも、やっぱり言ってもらえたら嬉しいものです。
そのクリニックで、先日久しぶりにお会いした先生もそうでした。
とてもお忙しい方なのですが、私の顔を見ると、先生の方から、
「いつもありがとうございます」
と声をかけてくださいました。
仕事をする人、仕事を頼む人。
先生、掃除をする人。
立場や肩書きはいろいろあります。
でも、そんなこととは関係なく、相手がしてくれていることに気づいて、自然に「ありがとう」が出てくる。
その姿に、私はいつも気持ちの良さを感じます。
もちろん、いつも気持ちよく挨拶が交わせる人ばかりではありません。
こちらから挨拶をしても、返ってきたのかどうかわからないこともあります。
そんな時、私もなんとなく相手との距離を感じて、必要なこと以外は話しかけなくなります。
私は本来、かなりのおしゃべりなんですけどね(笑)。
反対に、
「お疲れ様です」
「お世話になります」
「ありがとうございます」
そんな一言を自然に返してもらえると、それだけで話しかけやすくなります。
挨拶ひとつ。
たった一言なのですが、それだけで人との距離は近くもなれば、遠くもなる。
仕事をしている中で、そんなことを感じる場面がよくあります。
同じ木曜日に伺っている、ある会社の事務所でも感じることがあります。
そこの社長さんは、いつもとても丁寧に挨拶をしてくださいます。
掃除が終わる頃には、
「ありがとうございました。また来週もお願いします」
と、仕事の手を止めて、わざわざ飲み物を持ってきてくださることもあります。
もちろん、飲み物をいただけることが嬉しいのではありません。
そのお気持ちが嬉しいのです。
そして、その会社では従業員の皆さんも、必ず挨拶をしてくださいます。
私が声をかけるより先に、
「お疲れ様です」
「お世話になります」
と声をかけてくださることもあります。
社長さんがそういう方だからでしょうか。
挨拶をすること。
感謝を言葉にすること。
そんな空気が、会社全体に自然に広がっているように感じます。
以前、友人から聞いた言葉があります。
「ヒトの社会で生きる上で、大切な言葉がある。
『ありがとう』」
今日、仕事をしながら、その言葉をまた思い出しました。
「ありがとう」は、言わなくても仕事は成り立つのかもしれません。
でも、一言あるだけで、言われた人はちょっと嬉しくなる。
そこから会話が生まれたり、相手に親しみを感じたり、人との距離が少し縮まったりする。
立場も、年齢も、肩書きも関係なく。
「ありがとう」がすっと口から出てくる人の周りには、自然と気持ちのいい空気が生まれるのかもしれません。
みんなを円満に導く、魔法の言葉。
やっぱり「ありがとう」って、大切ですね。


