運動の栄養学【岐阜市の理学療法士のコラム】
岐阜市の筋膜専門整体スタジオ「THYME(たいむ)」代表理学療法士の小木曽です。
ストレッチは「筋肉」に対するアプローチです。
ストレッチとは、伸びにくくなった筋肉を伸ばして柔らかさを改善するために、自分もしくは自分以外の力を用いて筋肉を伸ばす運動方法です。
一言でストレッチといっても大きくわけて静的と動的の2つがあります。
「筋肉を伸ばす」という目的は同じですが、それぞれ特徴があり使い分けることで効率がアップします。ただしストレッチでは「筋膜」は伸びません。
筋肉に問題がない場合は筋膜リリースや筋膜マニピュレーションなどの、筋膜へのアプローチが必要です。
ストレッチの種類
・静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
・動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ・バリスティックストレッチ)
・静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
昔は柔軟といわれていたゆっくり伸ばして、動かずに同じポーズを維持して筋肉を伸ばす方法です。
比較的安全に行える方法で、筋肉を緩め、関節を柔らかくすることができる「柔軟性の改善」が特徴です。行う際は、呼吸を止めないこともポイントです。
ですが、長時間の静的ストレッチは筋肉を緩めすぎて、運動パフォーマンスを低下させてしまいます。後の動的ストレッチよりも怪我の上昇リスクも伴います。
また成長ホルモンを分泌させやすくするため、筋肉が発達しやすくなります。
筋肉には節(サルコメアと言います)がありますが、適切な運動をしていなかったりした場合、長い年月によってその節の数が減ってしまうことがあります。
この節の数を増やすにはスタティックストレッチが必要です。(それでも年単位の時間が必要です)
時間については様々な説がありますが、おおむね30秒~60秒程度です。
その他、血中の老廃物を流したり、新進のリラックス・疲労回復といった効果も期待できます。
動きとしては単一方向のポーズになり、強度としても低く疲れにくい方法です。
また、上記の特徴により、運動後、就寝前に行うのが効果的です。
動的ストレッチには、ダイナミックストレッチとバリスティックストレッチの2種類があります。
・ダイナミックストレッチ
動的ストレッチは、言葉の通りからだを動かすことで行うストレッチです。
動作としては複数方向への大きな動作で行い、「運動」と認識できる疲れを感じるストレッチです。
そして筋肉を柔らかくすることに加え、運動として行うことにより、筋肉の温度を上げて血流の循環効果も期待できます。
また、静的ストレッチよりも筋肉を過度に緩ませず、温められて働きやすくなった筋肉によってけがの予防や運動パフォーマンスが向上しやすいという特徴があります。
その特徴から、準備運動・ウォーミングアップとして、運動前に行うと効果が高くなります。
注意点としては反動を使わない動作であることです。
しっかりと動かす筋肉を使うことで、からだの神経的な作用によってその反対側(裏側)の筋肉を緩めています。
勢いや反動を使ってしまうとこの神経的な作用が働かなくなってしまします。
動かせる限界まで全身を使って腕・脚の曲げ伸ばしを動かせる範囲まで繰り返し行います。
反動を使わず、使う筋肉を意識して大きく動くことがダイナミックストレッチの基本です。
代表的なものとしては脚を大きく前後に動かすものや、歩きながら大きく脚と手を動かし、右脚と左手、左脚と右手を交互にタッチしていくものなどがあります。(反動や勢いには注意しましょう)
・バリスティックストレッチ
動的ストレッチのひとつであるバリスティックストレッチは、ダイナミックストレッチと違い、勢いや反動をつけて筋を伸ばすストレッチです。
各競技の動作に合わせた方法で行いやすく、対象となる筋肉の弾性を高める効果があるため、スポーツの場でも用いられてきた方法ですが、バリスティックストレッチは勢いや反動をつけて行うことから、関節や伸ばした筋肉の許容限界を超えてしまう可能性があり、その結果、筋や腱の損傷につながることがあります。
そのため、十分な注意が必要となることから現在はウォームアップ・パフォーマンス向上においてダイナミックストレッチが主体となっています
ラジオ体操を普通に行った場合、このバリスティックストレッチになります。通常のラジオ体操程度の負荷では損傷のリスクまでは心配ないかと思いますが、ふざけたり無茶をすればラジオ体操といえどもリスクは高くなるでしょう。とはいえバリスティックストレッチラジオ体操ではなく、ダイナミックストレッチラジオ体操をおすすめします。
中国拳法の通背拳や劈掛拳などもバリスティックストレッチの動きに似ていますが、打撃力を保ちつつ関節にできるだけ負担がかからないように体幹の動きなどが計算されていますね。
正しい知識とトレーニングをこころがけて健康寿命の延伸を図っていきましょう!
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